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事例紹介株式会社ピーチ・ジョン 様

導入製品・サービス:

※掲載内容は取材時の情報です

同じ電話番号のままクラウドへの
移行と冗長化でBCP対策を強化

東日本大震災を教訓に取り組んできたBCP対策が、
クラウド型サービスへの移行と徹底した冗長化により
大きく進展しました。

株式会社 ピーチ・ジョン

販売本部 カスタマーセンター 副センター長 大澤 なお美さま (写真左)
経営管理本部 情報システム課 チーフ 安部 謙司さま

事例概要

株式会社ピーチ・ジョン(以下、ピーチ・ジョン)様は、既設のアバイア社製PBXの保守期限終了に伴い、NTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」を導入。保守・運用コストの削減と稼働負担の軽減を実現した上、東日本大震災を教訓に取り組むBCP(事業継続計画)対策も大幅に進展した。

導入背景

東日本大震災でコールセンターが被災 BCP対策の必要性を痛感

(左から)大澤 なおみ カスタマーセンター副センター長、安部 謙司 情報システム課チーフ

(左から)大澤 なおみ カスタマーセンター副センター長、
安部 謙司 情報システム課チーフ

宮城県仙台市にカスタマーセンター(コールセンター)を開設するピーチ・ジョン様は、オンプレミス(自社運用)で使用してきたアバイア社製PBXの保守期限終了に備え、システム更改に向けた検討を開始した。2011年3月に発生した東日本大震災による深い傷跡が、まだ至る所に残る2012年秋のことだ。

東日本大震災では、同センターも被災した。大澤なおみ副センター長は、「サーバーはラックごと倒れ、キャビネットも横倒しになって、電話やパソコンは全て床に転がり落ちました。一瞬のうちに一切の通信機能を失い、2週間後やっと再開できたものの、4月の余震で再び業務のできない状況になりました」と、当時の惨状を振り返る。

こうした経験を貴重な教訓として、システム更改に当たっては、「しっかりとしたBCP対策を講じた機器構成にしなければならない、という思いが強くありました」と、情報システム課の安部謙司チーフは語る。

アウトソーシング後の“新たな運営体制への対応”も大きなテーマに

万一の場合に備えるBCP対策とともに、“新たな運営体制への対応”も大きなテーマとなった。

というのは、Webによる受注件数が増し、カスタマーセンターへの電話での申し込みは減少傾向にあるが、通販カタログ(季刊)の発行時期には大量のコールが集中するという状況があり、こうした受付業務の繁閑に柔軟に対応するため、業務のアウトソーシングに向けた計画が動き始めていたのだ。

ただ、開設以来、インハウスで全てのコールを受け付け、お客さまの声をしっかりと社内に発信することで、商品開発や改善提案に貢献してきた同センター。「商品の受注業務はアウトソースしても、お客さまの声は直接お聞きしたい」(大澤副センター長)と、問い合わせなど一部業務については、カスタマーセンターの規模を縮小して、引き続きインハウスで対応することになった。

ピーチ・ジョン様は、BCP対策強化と新たな運営体制への対応を考え合わせ、最適な次期システムを検討。従来のように大規模なシステムを自ら保有することなく、高度で多彩な各種機能を利用可能なクラウド型サービスへの移行を視野に、情報収集に取り組んだ。

選定理由

被災時も即座に業務再開が可能で、コストや稼働も軽減

サービス選定にあたっては、コールセンター業界の展示会を見学。NTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」を知り、「これまで使い慣れてきたアバイア社製PBXをクラウド型サービスとして使える上、既存の電話機などを継続利用できる点など、『こんなサービスがあったのか』と感激しました」と安部チーフは語る。

中でも注目したのが、これまで利用していた電話番号を継続利用できること。さらに、カスタマーセンターが被災して、急きょ別の場所にセンターを立ち上げても、即座に業務を再開できる点だ。「お客さまは、通販カタログに掲載された番号を見て電話をかけてくださるので、電話番号が変わらないということは極めて重要なポイントでした」(安部チーフ)

東日本大震災の経験から、いかなる場合にも「業務の停止は何としても避けなければならない」という強い思いを持ち続け、BCP対策にも積極的に取り組んできたピーチ・ジョン様。その強化に向けた確かな手応えを、「AQStage IPコールセンタサービス」と出会い、つかむことができたのだ。

また、保守・運用にかかるコストや稼働の軽減が可能になる点も大きな魅力だった。従来は、法令定期点検時に発生する停電対応のバックアップ作業などにかなりの作業工数が掛かっていた。「AQStage IPコールセンタサービス」に移行することで、そういった数々の負担からも解放されることが分かった。

NTTグループに対する安心感と豊富な導入実績への信頼感

ピーチ・ジョン様は、NTTグループとの取引も長く、「電話といえばNTT」といったNTTグループに対する安心感も、「AQStage IPコールセンタサービス」を選択した背景にあった。「当社の業務に精通し、何かあればすぐに駆け付けてくれるなど、NTTグループのバックボーンの強さを感じます」と、安部チーフは語る。

クラウド型サービスへの移行についても、NTTグループのコールセンターでの利用実績を信頼。さらに、データセンターの分散設置や建物の耐震性、ネットワークの二重化のほか、24時間365日の監視サポート体制も、大きな安心感につながる重要な要素となった。

導入効果

従来と変わらない利用環境を再現し、スムーズに切り替えを完了

使用感は従来と同様

使用感は従来と同様

システム構築に取り掛かる頃、アバイア社製PBXの保守期限終了までに残された時間は3カ月を切っていた。NTTビジネスソリューションズは、同センターの業務の具体的な内容をしっかりと把握した上で、切り替えのための準備を事細かに洗い出し、綿密な構築スケジュールを立てて、着実に実行に移していった。その結果、短期間で切り替えができ、保守期限終了までにシステム構築を間に合わすことができた。

大澤副センター長は、新たな利用環境について、「従来と変わらない使用感で、通話品質も変わらず、快適に使用できています」と評価する。

電話機の液晶画面のボタン配置も以前と同じ環境を再現し、また、CMS(統計管理機能)やAgent MAP(座席表示機能)など、これまで使っていた各種機能も同じ内容・項目で利用ができている。こうした従来と変わらない利用環境を実現したことで、オペレーターに対する事前の研修やマニュアルの習得などに多くの時間を割く必要がなくなり、「業務切り替えもスムーズに完了した」という。

徹底した冗長構成により、万一の際にも“業務を継続できる環境”が実現

万一の際にも業務を継続できる環境が整った

万一の際にも業務を継続できる環境が整った

短納期への対応だけでなく、「コスト面をはじめいろいろと難しい注文も出しましたが、終始こちらの要望に対して親身に対応していただきました」と話す安部チーフ。特に重視したのは、BCP対策をさらに強化するための「冗長化」だった。

NTTビジネスソリューションズは、カスタマーセンター内にゲートウェイ装置を2台設置。ゲートウェイにはバックアップPBX機能を持たせ、PBX故障やネットワークトラブルが発生しても、継続してサービスの利用ができる構成とした。

さらに、カスタマーセンターとデータセンターを結ぶネットワークは、収容ビルや伝送路の異なるネットワークで2ルート化するなど、冗長構成に対するお客さまの強い要望に応えた。

今後の展望

お客さまとの接点を大切に、センター運営のさらなる効率化も推進

通信販売と店舗販売を通して、国内外に販路を広げるピーチ・ジョン様にとって、コールセンターは重要な販売チャネルの一つ。お客さまの声を直接聞ける拠点としての位置付けは店舗と同等だが、扱う商品が下着ということもあり、お客さまにとって対面では質問しづらいことも電話なら話しやすく、会話が弾むケースも少なくない。

会社からカスタマーセンターに寄せられる期待も大きく、大澤副センター長は、「今後もお客さまとの接点を大事にして、社内への情報発信や提案機能をさらに強化していきたい」と意欲的に語る。

その一環として、CMSから得られる日々のデータを活用し、センター運営のさらなる効率化に取り組むことも検討している。現在は、CMSの標準レポートの中から、KPI(重要業績評価指標)の算出に必要なデータを集めて、一つのレポートを作成しているが、こうした手間も、カスタマイズされたオリジナルの機能を付加すれば一気に解決し、マネジメント業務のスピードアップにつながる。

安部チーフと大澤副センター長は、今回のサービス導入に関して「展示会見学の段階から、NTTビジネスソリューションズの担当者は親身に対応してくれたので、安心して任せられました」と、評価した上で、「新たな効率化施策の展開などに向けた技術面での協力をこれからもお願いしたい」と、さらなる期待を寄せている。

コンセプトは「元気・ハッピィ・SEXY」

株式会社ピーチ・ジョン

設立 1994年(平成6年)6月
本社 東京都渋谷区神宮前6-17-11
事業内容 女性向け下着や婦人服を中心とした小売業。通販カタログ「PJ」とWebサイトによる通信販売の他、「ピーチ・ジョン・ザ・ストア」「YUMMY MART」の店名で、国内に34店舗、海外に11店舗の直営店を構える。
URL http://www.peachjohn.co.jp/
株式会社ピーチ・ジョン

営業担当者から

お客さまの思いに寄り添い親身に対応
BCP対策のさらなる強化に向けた提案を今後も続けていきたい

NTTビジネスソリューションズ 眞銅 智啓

NTTビジネスソリューションズ 眞銅 智啓

(左から)NTTビジネスソリューションズ営業担当者、大澤 なおみ カスタマーセンター副センター長、安部 謙司 情報システム課チーフ

(左から)NTTビジネスソリューションズ営業担当者、
大澤 なおみ カスタマーセンター副センター長、
安部 謙司 情報システム課チーフ

NTTビジネスソリューションズ
眞銅 智啓

ピーチ・ジョン様は、展示会で最初にお会いした時から、「システム更改をクラウドで」といったお考えをお持ちで、 これまで使ってきたアバイア社製の機器を継続して使用できる良い方法をお探しでした。

「AQStage IPコールセンタサービス」がぴったりのサービスであることはすぐにご理解いただけましたが、 東日本大震災を経験され、BCP対策については特に念には念を入れて慎重に検討を進められました。 お客さまの思いに寄り添い、親身に対応したことで、ご満足をいただくことができました。

タイトな構築スケジュールを乗り切るために、既存システムの詳細情報を事前に把握して、 分からないことがあれば随時メールでやり取りし、課題管理表で管理しながら進めることで、何とかタイムリミットに間に合わせることができました。

今後もコールセンター系のサービスにとどまらず、BCP、セキュリティー対策などのさらなる強化につながるお手伝いができれば、と考えています。