事例紹介日清食品ホールディングス株式会社 様
※掲載内容は取材時の情報です
クラウド化とCTI連携で平時にも緊急時にも効果を発揮

「小回りの利くサポート体制」が最大の決め手でした。
日清食品ホールディングス株式会社 広報部
カスタマー・コミュニケーション・センター(CCC)
JUST電話プロジェクト・リーダー 浅野 洋一郎 さま
大阪お客様相談室 JUST電話プロジェクト・サブリーダー 山口 富美子 さま
事例概要
日清食品ホールディングス(以下、日清食品HD)様はNTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」を導入し、傘下の事業会社が個々にオンプレミスで運営していたコンタクトセンターの一元管理を実現。クラウド化とCTI※連携により平時にも緊急時にも大きな効果を発揮している。
- ※ CTI:Computer Telephony Integration。電話とコンピューターを連携させて利用する技術。
導入背景
食品業界のリーディングカンパニーとして
ストレスフリーにコンタクトできるセンターでありたい

日清食品ホールディングス株式会社
広報部 カスタマー・コミュニケーション・
センター(CCC)
JUST電話プロジェクト・リーダー
浅野 洋一郎氏
主力である「カップヌードル」ブランドの国内年間売上高は2019年度に1,000億円に達し、2020年6月には株式時価総額が1兆円の大台を超えるなど躍進を続ける日清食品HD様。
同社のカスタマー・コミュニケーション・センター(以下、CCC)は、傘下の事業会社のお客さま相談窓口(コンタクトセンター)を統括する部門だ。各窓口をサポートしつつ、寄せられた声を収集・分析し、経営層や関連部署に迅速に伝えることで、製品やサービスの改善に活かしている。
浅野洋一郎プロジェクト・リーダー(以下、PL)は「即席麺、食品業界のリーディングカンパニーとして、お客さまがストレスフリーにコンタクトできるセンターでありたい」と熱く語る。
グループ全体を統括できる音声インフラが必要
グループ会社のコンタクトセンターは5拠点あり、それぞれオンプレミスのシステムで運営されていた。
浅野PLは、今回のコールセンターシステム導入の背景を次のように話す。
「例えば、各社のお客さま相談窓口でお客さまとトラブルがあれば、音声データをモニターして、時には法務部の顧問弁護士と相談することも必要となります。そうした対応をシステマチックに行い、リスク管理を向上させる観点からも、グループ横断で統括し、管理できる音声インフラが絶対に必要でした」
また、お客さま対応業務を効率化するとともに、対応品質を向上させるためにはCTIの導入も欠かせなかった。
さらに、万一、商品事故などが発生した場合には自主回収のための緊急コールセンターの開設が必要となるが、迅速かつ効率的な運営を行うためには、事業会社が個別に対応するのではなく、ホールディングスのコーポレート・コミュニケーション・プラットフォームとしてCCCが業務のインフラを提供できる体制も整備したかった。
そこで日清食品HD様は、こうしたポイントを盛り込んだRFP(Request for Proposal:提案依頼書)を作成し、複数社に提案を依頼した。
選定理由
日頃の情報提供や突発的な事態への対処など「小回りの利くサポート体制」を重視
CCCは、RFPに対する各社の提案書の一つ一つの項目に点数を付け、2社に絞り込んだあと、社内の情報システム部門とも協議の上、NTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」を選定した。
浅野PLは「音声インフラの統合やCTI連携、緊急コールセンターの迅速な開設といったRFPの内容から考えても、クラウド型のサービスを選択するのは当然の帰結でした。また、NTTグループの技術力や品質に関する実績は十分承知していましたし、実際に各社からプレゼンテーションを受けた中でも、信頼が置けて安心感がありました。そうした『システム運用のベースとなる技術力』などはもちろん重要なのですが、それらに加えて、私たちにとっては『小回りの利くサポート体制』も極めて重要だったのです」と選定の経緯を説明する。
CCCは、情報関係のインフラ整備や運用を、情報システム部門のサポートを得ながら、独自の観点で積極的に行っている。そのため、各種の情報収集や運用ノウハウなどに関してサポート体制の充実したパートナーを求めていた。
「日頃のきめ細かな情報提供はもちろん、何か突発的なトラブルが生じた際など相談したいときに窓口がはっきりしていて、しっかりとした対応をしていただけるかどうか。この点に関しても、NTTグループの安心感、信頼感は大きなものがありました。最終的にはそこが最大の決め手となりました」
導入効果
構築直前に拠点の移転を余儀なくされるハプニングにも
柔軟に対応しスムーズに導入
選定の決め手となった「小回りの利くサポート体制」については、構築の段階から実感することになったという。

日清食品ホールディングス株式会社
広報部 カスタマー・コミュニケーション・センター(CCC)
大阪お客さま相談室 JUST電話プロジェクト・サブリーダー
山口 富美子氏
「実は、構築の直前に、コンタクトセンターのうち1拠点のロケーションが急きょ変更になってしまったのです。ロケーションは、有事の際の緊急コールセンターの設置までも考慮して選定していたのですが、諸般の事情でビルを変更しなければならなくなり、それに伴い図面を一から引き直すことに…。加えて、お客さま相談室の室員にとっては、新しい事務所での業務、かつ、以前とは違うCTI連携した新たなシステムでの業務が同じタイミングでスタートしたため、それはもう大変な状況となりましたが、NTTビジネスソリューションズによる手厚いサポートのおかげでスムーズに導入することができました」と浅野PL。
日清食品グループ大阪お客さま相談室の山口富美子プロジェクト・サブリーダー(以下、SL)は「私のような技術的に全くの素人でも理解できるように、打ち合わせの場を何度も設け、さまざまな情報を交えながら一つ一つ丁寧に説明してくれました。そうした密なコミュニケーションを積み重ねる中で、納得感も高まり、私たちが理想とするシステムに近づけていくことができたのだと考えています」と話す。

緊急コールセンターを1営業日で開設
導入後、間もなく、自主回収案件が発生してしまう。商品事故が起き、自主回収の経営判断があった場合、CCCは早急に緊急コールセンターを立ち上げなければならない。従来はオンプレミスで運営していたこともあり、ベンダーに連絡後、回線や装置の準備などに2営業日ほどを要し、開設までに2~3日はかかっていた。
一般的に緊急コールセンターの設置は外部委託することが多いが、日清食品グループは自社で対応することを基本としている。
「今回は、導入検討時から緊急コールセンターを念頭に置いていたこともあり、ほぼ1営業日内で開設することができました。また、実際に運営する中で、従来は見えていなかった受電の状況がデータとして把握できるようになったことから、データに基づいて人員体制や対策を検討することもでき、有効に活用することができました。グループ内でも『導入しておいて本当によかった』と安堵の声が上がりました」と、浅野PLは胸をなで下ろす。
緊急コールセンターでは、非常時ということもあり、お客さま相談窓口以外の社員も電話の対応に当たった。「彼らの中にはコールセンターシステムに触るのは初めてという者もいましたが、NTTビジネスソリューションズのサポートにより、操作などにも問題はありませんでした」
「JUST電話」の愛称で社内ブランディング
お客さま相談窓口にはベテランの室員も多いため、新たなシステムの導入に不安を感じてしまうのではないかという懸念もあった。そこで浅野PLは一計を案じる。
「日清食品グループはブランドを大切にする会社です。社内の施策においても、名称は大切だとの認識をみんなが持っています。そこで、このシステムを何と呼ぶべきか、山口と二人で考えたのです。そしてアメリカのミュージシャン、スティービー・ワンダーの名曲『I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU』から『JUST電話』と名付けました。導入時からこの愛称で呼んでもらうことで、愛着を持って社内に浸透させることができたと考えています」
クラウド化とCTI連携で業務効率や顧客サービスも向上
山口SLは「日清食品グループ大阪お客さま相談室の平均年齢は50歳を超えており、60代の室員もいます。PC操作の苦手な者もいて、当初は不安もあったようですが、実際に使ってみると、電話をしながらの入力も簡単でした。以前は電話番号や受付時間まで100%手入力で、ミスも散見されましたが、現在はある程度テンプレート化してシステムを構築していただいているため、自動入力によって効率的になり、ミスも減少しています」とその効果を語る。

大阪お客さま相談室
お客さま対応品質の向上にもつながっている。「時折、日清食品のお客さま相談室に、日清シスコなど他の事業会社への問い合わせの電話がかかってくることもあるのですが、導入前はその会社の窓口の電話番号をご案内するか、『担当者から折り返し連絡させます』とお伝えし、いったん電話を切るしかありませんでした。今では内線扱いですぐに転送できるため、お客さまのご負担も軽減されたと感じています」(山口SL)
災害時などのBCP対策でも成果を挙げている。台風により大阪の電車が運休となり、大阪お客さま相談室の室員が出勤できなくなった際、大阪お客さま相談室への着信を全て東京のお客さま相談室で対応し、切り抜けることができたという。
コールの状況をCCCで一元管理できることは、悪質な意図を持った案件の対応においても効果を発揮している。浅野PLは「例えば同じ方が同じ日に日清食品と明星食品に電話をかけてくるようなケースも少なからずあるため、そうした事案などをすぐに把握してチェックできるようになりました」と、グループ全体でのリスク管理の迅速化と質的向上も大きな導入効果だと捉えている。
今後の展望
在宅勤務にも対応可能なシステムの構築を検討
コロナ禍によってこれまでの常識が大きく変化していく中、浅野PLは「コンタクトセンターのお客さま対応品質を低下させることなく、デジタルを駆使してさらに生産性を上げて運営していくことが、今後も変わることのない私たちの使命」と言い切る。
今後に向けては、在宅勤務でもコンタクトセンター業務を実施できるシステムの構築を検討中。「NTTビジネスソリューションズには、最先端かつ幅広い情報の提供や、具体的なシステム提案まで、一層のサポートをお願いしたい」と浅野PLは期待を寄せる。
EARTH FOOD CREATOR
日清食品ホールディングス株式会社
設立 | 1948(昭和23)年9月4日 |
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東京本社 | 東京都新宿区新宿6-28-1 |
大阪本社 | 大阪市淀川区西中島4-1-1 |
事業内容 | 日清食品グループの持株会社として、グループ全体の経営戦略の策定・推進、グループ経営の監査、その他経営管理などを行う。日清食品グループの事業内容は、インスタント食品、チルド食品、冷凍食品、スナック菓子、シリアル食品、乳酸菌飲料など加工食品の研究開発および製造販売。 |
従業員数 | 12,983名(連結。2020年3月現在) |
URL | https://nissin.com/ |

営業担当者から
「NTTビジネスソリューションズの充実したサポートで多くの企業に安心をお届けしたい」

NTTビジネスソリューションズ 水野 加津
NTTビジネスソリューションズ
水野 加津
日清食品HD様のCCCは、各事業会社のお客さま相談窓口をサポートしながら、システムの構築・運用も担うという大変ご多忙な部署です。 NTTビジネスソリューションズとしては「できるだけご負担を軽減できれば」との思いで取り組んできました。
今後に向けて在宅でのコンタクトセンター業務をご検討なさっていますので、日清食品HD様の現状とご要望を的確に捉え、 コールセンターシステムのプロフェッショナルとして、最も費用対効果の高い最適な提案を行っていきます。
「AQStage IPコールセンタサービス」は、基本機能はもちろん、オプションも充実しています。 複数拠点をお持ちの企業さまなら、各拠点を一元的に管理することで効率的な運営が実現できます。 また、今般のコロナ禍で不安が高まり、各種感染症対策やBCP対策の強化をお考えの企業さまも多いことと思います。 そうした企業さまに対し、NTTビジネスソリューションズの「小回りの利くサポート力」を活かしてお力になることで、 安心をお届けしたいと心から思っています。どうぞお気軽にご相談ください。