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事例紹介西日本電信電話株式会社 /
株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティングアクト

導入製品・サービス:

※掲載内容は取材時の情報です

大規模コンタクトセンターの長期安定運用と
AIによる高度なセンター運営を実現

もう「音声認識」のないセンター運営は考えられません

(後列左から)
西日本電信電話株式会社 デジタル改革推進本部 技術革新部 デジタルイノベーションセンタ DIコーディネート部門 カスタマイノベーション担当

小山 琢也 社員、佐渡友 健次 担当課長、押川 祐一郎 主査

(前列左から)
株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティングアクト 光サービス事業推進部 CRM推進部門 企画戦略担当

吉開 正太郎 主査、茂山 貴清 担当課長、田中 葉月 社員

事例概要

西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、116センタの運営において、西日本全域に点在する約40拠点間のジョブ連携を可能とするロケーションフリーの広域受付体制を構築し、災害発生時にも柔軟なリカバリーにより安定的なセンター運営を実現している。
また、膨大な通話音声データを分析・活用することで、顧客満足度の向上と生産性の向上を両立させている。
それを支えているのがNTTビジネスソリューションズの「IPコールセンタサービス」だ。

導入効果

西日本30府県全体での一元的な広域運営を実現

NTT西日本の電話サービスに関する総合窓口である「116センタ」。1981年に開設され、その歴史は約40年に及ぶ。
拠点数は約40、座席数は約5,000席とNTT西日本グループ最大のコンタクトセンターであり、“NTT西日本の顔”として各種申し込みや問い合わせ・要望に対応する役割を担っている。

116センタは2006年から15年にわたりNTTビジネスソリューションズが提供する「IPコールセンタサービス」を継続して利用。
本サービスに関連する技術やノウハウは、NTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」にも展開されている。

NTT西日本の佐渡友担当課長

NTT西日本の佐渡友担当課長

116センタのシステム主管であるNTT西日本の佐渡友健次担当課長は、IPコールセンタサービスの導入メリットとして「西日本エリアの30府県全域で安定的にサービスを提供できていること」「コールフローや統計などについても西日本広域で一元的かつタイムリーに設定・管理できていること」を挙げる。

「かつては各府県単位でコールを受け付けていました。しかし、BCP(業務継続計画)や業務効率化の観点から6つの地域事業本部(関西、東海、北陸、中国、四国、九州)単位での受付体制へと変更し、最終的にはPBXをクラウド上で1カ所に集約して西日本エリア全体で広域受付体制を構築しました。
これにより、例えば大阪に入ってきたコールを福岡で受けるといったことが可能となっています。このような大幅な体制変更に伴うコールフローの見直しなどについても、NTTビジネスソリューションズの協力により円滑に実施することができ、適切な呼分配を維持できています」(佐渡友担当課長)

災害時も柔軟なリカバリーにより業務影響を最小限に抑制

IPコールセンタサービスを活用した広域受付体制は、自然災害発生時においても大きな効果を発揮している。
「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」では、二重化していた回線が2系とも不通となってしまう事象が発生。トラブルに見舞われた拠点のコールを、他の拠点が受けることでカバーした。

だが、オペレーターのスキル設定の違いなどから、その拠点でしか受付できない呼種もある。
故障解析などの情報を統括するNTTビジネスソリューションズは、想定されたネットワークの回復見込み時間などから総合的に判断し、拠点側に設置しているバックアップ用PBXを起動させることで、当該拠点における電話受付業務の継続を可能にした。

「NTTビジネスソリューションズが主体となって円滑な故障統制やリカバリー対応を行い、業務影響を最小限にとどめることができました」と話すNTT西日本の小山琢也社員。
「データセンターをはじめ、拠点側の通話録音装置や電話機の端末、さらにデータセンターと拠点間を結ぶネットワークに至るまで、NTTビジネスソリューションズによるトータルで一元的なサービス提供と保守運用は、非常に大きなメリット」と実感したという。

NTT西日本の小山社員

NTT西日本の小山社員

NTTマーケティングアクトの茂山担当課長

NTTマーケティングアクトの茂山担当課長

NTT西日本から業務委託を受けて116センタを運営している株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティングアクト(以下、NTTマーケティングアクト)の茂山貴清担当課長も、「NTTビジネスソリューションズから故障箇所の特定や復旧見込みなどの情報をタイムリーに共有してもらえたことで、116センタの安定的な運営の見通しを立てることができ、安心感のある対応ができました」と安堵の表情を見せる。

膨大な通話音声データを分析し、業務改善やCS向上に活かす

116センタでは、1日数万件に上るコールの音声データが蓄積されている。しかし、膨大なコールの内容を把握することは容易ではない。
そこで、NTTビジネスソリューションズが提供する「音声認識ソリューション」を導入。AI(人工知能)を駆使して音声データをテキスト化し、キーワードを抽出することで通話内容を定量的・客観的に分析。
その結果を基に、センターが抱えている課題の解決や業務改善、顧客満足度のさらなる向上につなげている。

なお、この音声認識ソリューションはNTTビジネスソリューションズの「AIコミュニケーションセンターサービス(AICC)」のベースとなっている。

NTTマーケティングアクトの田中葉月社員は、音声認識ソリューションの導入効果として顧客満足度の向上を挙げ、「クレームや満足度の高い通話を抽出し、その分析結果を各センターに展開することで、応対品質の維持向上に努めています」と活用方法を説明する。

NTTマーケティングアクトの田中社員

NTTマーケティングアクトの田中社員

オペレーターの応対が文字によって可視化されるため、応対内容を指導者と文字で確認しながら振り返ることができ、育成面でも効果があるという。
音源の聞き直しから、文字による確認へと変化したことで生産性も格段に向上。さらに、応対内容のテキストデータや要約機能の活用により、応対履歴の作成などオペレーターの後処理負担の軽減にもつながっている。

顧客と応対しながら、膨大なFAQから適切な回答候補を検索するには経験が必要となる。
音声認識ソリューションにより、通話中のリアルタイムな音声認識結果からその通話と関連する適切なFAQを自動でレコメンドすることで、検索のための保留時間の削減や誤回答率の低減も可能に。
田中社員は「オペレーターの応対スキルの均一化」に効果があると感じている。

116センタの現場からの評価も高く、「音声認識のないセンター運営は考えられない」との声も聞かれるほどだという。

今後の展望

ニューノーマル時代の在宅ワークへの対応
“一つのNTT西日本”としてのオムニチャネル連携

近年、気象災害が激甚化・頻発化している。NTT西日本の佐渡友課長は「さらなる大規模な自然災害に備えた業務継続性の確保」と併せて、「コロナ禍などを踏まえたニューノーマル時代における在宅コールセンター機能」の必要性も感じている。

一方、顧客がWeb上の情報などを調べることで疑問や課題を自己解決するケースの増加に伴い、116センタへのコール数は減少傾向にある。
佐渡友課長は「座席数の減少に柔軟に対応可能なシステム構成やサービス形態」についても、NTTビジネスソリューションズの技術力やノウハウに期待を寄せる。

NTTマーケティングアクトの吉開主査

NTTマーケティングアクトの吉開主査

NTTマーケティングアクトの吉開正太郎主査は「お客さまへの一元対応」を志向。
「現在、複数のお客さま対応チャネルがありますが、それはNTT西日本側の都合でしかありません。
お客さまにとってNTT西日本は一つです。チャネルをまたがった応対についても、切れ間なく、シームレスな事業運営が必要であり、オムニチャネル連携は必須」と考えている。

また、セルフサービス化やノンボイス化が進む中にあっても、「音声での対応を希望されるお客さまは、引き続き一定数存在する」として、音声認識技術を応用した音声ボットやバーチャルオペレーターなどの実現を待ち望む。

吉開主査は「音声認識ソリューション」が真価を発揮するためには、FAQの生成や提案チャンスアラートの設定など、導入後の運用・オペレーションが極めて重要です。
今後も運用サイドの立場に立ち、稼働負担の大きいオペレーションの簡素化や自動化、さらにはそうした視点からのコンサルティングも提供してほしい」とNTTビジネスソリューションズへの期待を語った。

もっと「ソーシャルICTパイオニア」へ

西日本電信電話株式会社

設立 1999(平成11)年7月1日
本社 大阪市中央区馬場町3番15号
事業内容 西日本エリア(富山、岐阜、静岡以西の30府県)における地域電気通信業務などを展開。地域の先頭に立ち、さまざまな社会課題をICTの力で解決する「ソーシャルICTパイオニア」として、地域を元気にする「ビタミン」のような役割を担うことをめざしている。
URL https://www.ntt-west.co.jp/

営業担当者から

「AIなど先進技術を現場に取り込み、コンタクトセンター運用を効率化」

NTTビジネスソリューションズ 内山 正己、梶原 洋輔

NTTビジネスソリューションズ
内山 正己、梶原 洋輔

NTTビジネスソリューションズ
内山 正己、梶原 洋輔

116センタに対して15年に及ぶ長期にわたり、大規模なコールフロー変更などへの迅速な対応や、災害発生時にもコンタクトセンター業務の継続が可能なシステムを提供しています。
併せて、運用部門のご要望に対するコンサルティングや日々の技術サポートにより、安心してコンタクトセンター運営に専念していただけるよう心掛けています。

2017年には、応対品質や生産性の向上といった現場の課題の解決や、意思決定層が求めるビッグデータの利活用、顧客満足度(CS)向上を実現するため音声認識ソリューションを導入させていただきました。
先進技術を活用したソリューションを現場に取り込むことで、コンタクトセンター運用のマネジメント業務の効率化を実現することができました。
現場からは「音声認識のないセンター運営は考えられない」との声が上がっていると聞き、大変うれしく思っています。 116センタ向けのシステムやソリューションで培った技術力やノウハウは「AQStage IPコールセンタサービス」「AIコミュニケーションセンターサービス(AICC)」などにも活用されています。

またNTTビジネスソリューションズは、多様なコンタクトセンター運営形態へのニーズにお応えするため、在宅コンタクトセンターサービスなども提供している他、オムニチャネルやCRMなどとの外部システム連携によるさらなるサービス拡充をめざしています。
今後もNTT西日本グループ一体となり、より多くのお客さまのCX(カスタマーエクスペリエンス)革新やロイヤリティー向上、そしてビジネスの拡大に貢献していきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

NTTビジネスソリューションズ コンタクトセンターサービスグループ