事例紹介アイリスオーヤマ株式会社 様
※掲載内容は取材時の情報です
センターの応対状況を見える化し
モチベーションとパフォーマンスを向上

システムを活用するスタッフの成長に大きな喜びを感じています
アイリスオーヤマ株式会社
品質管理部 コミュニケーションセンター
岩松 宏行センター長
事例概要
アイリスオーヤマ様は、コロナ禍によるマスク需要の急増や巣ごもり消費に対応するため、お客さまからの問い合わせ等に応じる「コミュニケーションセンター」を増強し、その人員規模は約5倍へと急拡大した。拡大期のセンター運営では、応対品質を維持する取り組みが重要となるが、アイリスオーヤマ様のコミュニケーションセンターでは、運営状況の見える化により、スタッフの改善意欲が引き出され、モチベーションとパフォーマンスの向上を実現している。こうしたデータドリブンなセンター運営を支えているのがNTTビジネスソリューションズのAQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」だ。
業種 | 製造業 |
---|---|
席数 | 250 |
課題 | 応対品質向上に向けたサービスレベルの見える化 |
導入サービス |
ポイント
- レポート機能で応対状況をリアルタイムに可視化
- データの分析・活用を通じてスタッフが成長
- 改善提案が盛んになり組織が活性化
AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
導入背景
コロナ禍の対応でセンターの規模が急拡大する中、迫る保守期限

アイリスオーヤマ様の「コミュニケーションセンター」は、当初は「お客様相談室」として発足したが、「お客さまとコミュニケーションを取ることが重要」との考えから名称を変更。コミュニケーションセンターが中心となり、お客さまの声を吸い上げて社内に共有することにより、商品の迅速な改善につなげる等、全社に消費者志向経営を徹底する役割も担っている。
こうした背景から、コミュニケーターをはじめセンターの運営は、企業理念や経営方針を十分に理解した社内の人員が担い、外部委託することなくインハウスでの運営を貫いてきた。
しかし、コロナ禍で事態は一変。感染対策のマスクやサーキュレーター、さらには巣ごもり消費により液晶テレビやパックご飯等に関する問い合わせが急増し、対応しきれなくなったのだ。そこで緊急措置として外部委託の活用を決断し、宮城県と青森県、福岡県にそれぞれコミュニケーションセンターの拠点を増設。コロナ禍前は約80名いた人員(外部人員含む)は、最大220人にまで急拡大した。
そうした状況の中、オンプレミスで運用していたコンタクトセンターシステムの保守期限切れが迫っていた。
AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
選定理由
グループトータルでのシステム統合や在宅対応も視野に

岩松宏行センター長が振り返る。
「幅広い商品知識を持ち、一定の判断ができる社員と違い、外部委託のコミュニケーターは商品知識も限られ、エスカレーションも増えるため、相対的に生産性は下がることから、配置する人数を増やして対応する必要がありました。当社には国内だけでも13のグループ会社があり、顧客接点としてのコンタクトセンターが多数あります。将来的にはその全てを統合できるようなコンタクトセンターシステムとすることも視野に、グループトータルで何人のコミュニケーターが必要になるのか想定し、その規模に対応できるシステムを選ぶ必要がありました」
また、既存システムでは在宅勤務への対応が困難だったが、濃厚接触者等が出勤不能となる状況を考慮すると、やはり在宅コンタクトセンターとしての機能も必須だった。
応対品質向上のため、サービスレベルを見える化できる機能を重視
「さまざまな要件が考えられましたが、更改をよい機会として原点に立ち返り、『今後どんなことをしていきたいか』をテーマとして、コミュニケーター、SV、管理者、各拠点のセンター長にヒアリングを行うことにしたのです」
この岩松センター長の判断が、のちにスタッフの参画意欲を高める下地となる。
ヒアリングでは、コミュニケーションセンターの稼働率や応答率等、業務の状況を見える化し、分析したいとの声が聞かれた。それを基に、働く環境の改善や業務の効率化、応対品質の向上による顧客満足度の向上を実現し、ひいてはCX(カスタマーエクスペリエンス)の向上によって会社のブランド価値向上に貢献したいという思いが見えてきた。
「そのためには、コミュニケーションセンターのサービスレベルを把握し、自分たちの強みや弱みを理解して改善・向上させていく必要があります。それを実現できるツールであることが重要なポイントとなりました」
AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」なら、レポート機能により、センターのパフォーマンスをリアルタイムに把握・分析することができる。
また、アイリスオーヤマ様には、電話やメール、SNS等、全ての顧客接点でお客さまの期待を上回り、長期的な関係を構築することでロイヤルカスタマー化を図っていきたいとの思いもあった。
これに対し、AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」は、電話、メール、チャット等、複数のコンタクトチャネルの利用者情報を統合し、シームレスな顧客対応・管理を実現することができるサービスだった。
こうしたことからアイリスオーヤマさまはAQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」の導入を決断した。
AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
導入効果
レポート機能によって応対状況をリアルタイムに可視化
2022年6月に利用を開始してから7カ月。岩松センター長は「以前は苦労して取得していたデータが、今ではレポート機能によって容易に取得でき、拠点別、チーム別、個人別の応対状況が迅速に可視化され、改善すべきポイントも把握しやすくなりました」と話す。
「コロナ禍前は約80名の人員(外部人員含む)で、意思疎通もしやすく、みんながある程度分かり合えていた状態でした。それが一気に規模が拡大し、現在は3拠点162人(2023年3月現在)ですから、単純に比較はできないのですが…」と前置きした上で、SVやコミュニケーターの参画意欲の高まりも感じているという。
従来、パフォーマンスの分析等は拠点のセンター長や管理者の役割というのが暗黙の了解だったが、SVにも一定の権限を割り当て、簡単にデータを抽出できるようになったことで、以前ならセンター長が作成していた資料もSVが作成して週次会議で発表するようになり、センター長はさらに視座の高い業務に集中できるようになった。

また、以前は夕礼でその日の各人の応答件数や全体の応答率を共有する程度だったのが、今ではSVが11時、13時、15時、17時にチームのパフォーマンスをチェックし、保留時間や1件当たりの処理時間、後処理時間もメンバーに共有しながらチームのマネジメントができるようになっている。個々のコミュニケーターの状況に合わせてきめ細かなフォローやフィードバックを行うことで、お客さまに対するサービス向上の意識もセンター全体で大きく変わってきたという。
スタッフの成長も大きな導入効果の一つ
SVが自分でパフォーマンスを分析するようになると、より一層関心が高まり、「こんなデータは取得できますか?」「それならこういう指標を分析してみませんか」、さらには「こういう応対をすればお客さまに喜ばれるのでは」といったさまざまなアイデアが出されるようになってきた。
お客さまから感謝の声やお褒めの言葉をいただいた優良事例をケーススタディーとして逐次チャット等で共有し、3拠点の全員が参加するオンラインの月次会議で表彰・称賛するようにしたのも、「うれしいことはみんなに伝えた方がモチベーションも上がる。なぜ喜ばれたのかというポイントを共有すれば、全体の応対品質も上がる」とのSVからの提案を取り入れたものだ。
「社外に自慢できるレベルには至っていないかもしれませんが、スタッフが成長しているのは確かですし、まだまだ伸びしろがあると期待しています。皆の成長を感じられることが本当にうれしく、導入してよかったと心から思いますね」と岩松センター長は目を細める。
今後の展望
お客さまと写真や動画を共有しながらやり取りできるチャネルを模索
現在、大型家電等の修理依頼を受ける際、電話のやり取りだけでは状況が正確に把握できず、問題が生じることがあるという。例えば、洗濯機やエアコンにエラー表示が出たとの申告で、マニュアルに沿ってチェックすべき項目をお客さまに確認していただいたものの、解決しない場合、修理のエンジニアを派遣すると、確認していただいたはずの箇所にごみがたまっており、ごみを取り除くだけで解決したといったケースがあるのだ。
「お客さまに写真や動画を撮影していただき、コミュニケーターがそれを見ながら一緒に確認できるような仕組みやツールがあれば、あらためて日程を調整してエンジニアを派遣することもなく、その場で解決することができ、顧客満足度の向上につながります。実は、これもコミュニケーターからの改善提案なんです」と、顔をほころばせる岩松センター長。「ぜひ実現したいと思っているので、有益な提案を期待しています」
企業紹介
アイ ラブ アイデア
アイリスオーヤマ株式会社
創業 | 1958(昭和33)年 |
---|---|
設立 | 1971(昭和46)年4月 |
本社 | 宮城県仙台市青葉区五橋2-12-1 |
社員数 | 6,035人(2023年1月時点) |
事業内容 | 生活用品の企画、製造、販売。エンドユーザーの満足を第一に考えた「ユーザーイン経営」を掲げ、生活者の潜在的な不満を解消するソリューション型商品や、シンプルかつ「なるほど」と思わせる機能性のある商品を開発。1年間に発売される新商品は1,000アイテムを超える。 |
URL | https://www.irisohyama.co.jp/ |
担当者から

バリューインテグレーション部門 首都圏ビジネス推進担当主査
田中 公明(右)
NTTビジネスソリューションズ
玉置 悠斗(左)
「アイ ラブ アイデア」というコーポレートメッセージのもと、さまざまなアイデアを商品化して人々の暮らしの豊かさに貢献するアイリスオーヤマ様。中でも「コミュニケーションセンター」はさまざまなお客さまの声を聞き、それをアイデアとして商品化につなげる重要なセクションです。
私たちNTTビジネスソリューションズも、コールセンタービジネス分野でさまざまなアイデア(付加価値)を提案し、コールセンターの生産性向上に貢献したいと考えています。
AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」は、Genesys Cloud CX基盤を使ったサービスで、LINE、チャット、メール等、電話以外のチャネルにも対応し、お客さま自身で柔軟にカスタマイズすることが可能です。日々、機能がアップデートされるため、常に最新のサービスを利用できることも大きなメリットです。
昨今はコロナ禍により、リモートワークをはじめとしたワークスタイルの変革が進んでいます。それは、コールセンターにおいても同様です。Genesys Cloud CXの最新の機能を活用し、新たな取り組みをなさりたいお客さまにはAQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」はおすすめのサービスです。ぜひお気軽にお問い合わせください。