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生産性向上

バックオフィス業務サポートコラム

「OS」と「BPO」の違いとは?

NTTビジネスソリューションズには、NTTグループのバックオフィス業務で培ったスキル・ノウハウがあります。この実績を活かし、お客さまのバックオフィス業務をトータルサポートしているのが、私たちバックオフィスコンサルグループです。このコラムは社会保険労務士資格を持つ社員やNTTグループの給与計算などバックオフィス業務に携わってきた社員が担当します。バックオフィス業務に関する課題やトレンドに沿って、バックオフィス業務に携わる方の役に立つノウハウや考え方をアウトソーサーの立場からお伝えいたします。

後列左から
仲野舞さん 室井真己さん、松下和美さん(社会保険労務士資格保有)、竹田隼さん(社会保険労務士資格保有)
前列左から
西口阿里さん、渡辺由里香さん、岩永優一さん、小阪康祐さん

こんにちは。バックオフィスコンサルグループの仲野です。

第2回目は「OS(アウトソーシング)」と「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」にテーマを絞り、それぞれの特徴をさらに掘り下げていきます。

さっそくですが、「OS」と「BPO」の違いはなんだと思いますか?アウトソーシング(OS)という言葉はかなり一般的になってきていますが、BPOと混同されている方も多いのが現状です。そこで、今回はOSとBPOの違いについて、それぞれメリットとデメリット、検討時のポイントをご紹介します。

OSとBPOの基本

OS(アウトソーシング・outsourcing)

外部を意味する「アウト」と、資源利用を意味する「ソーシング」を組み合わせた和製英語です。直訳すると「外部委託」となり、内部で足りない労働力を外部調達するなど、リソースを外に求めることをさします。仕事を担う人やサービスを契約によって外部から調達し、企業経営を強化する手法です。

BPO(ビジネス プロセス アウトソーシング・Business process outsourcing)

企業の業務プロセスを外部委託することを意味します。この場合、外部へ委託する業務は、その企業の中心的業務以外の部門やビジネスプロセスが多いです。たとえば、給与計算や社会保険業務、ルーチンワーク的な経理業務などが挙げられます。このような部門や一連のビジネスプロセスを外部の企業に委託することで、コア事業への注力やコスト削減などを実現する経営手法です。

OSとBPOの違い

「BPO」は「OS」のひとつの選択肢です。従来の「OS」よりも委託できる範囲が広くなると考えればよいでしょう。

まとめると・・・

OS:業務の"一部"を外部へ委託すること

BPO:業務工程を"一括"で外部へ委託すること

メリット

「BPO」、「OS」双方のメリットは、社内人材の有効活用です。特定の業務を専門業者へ外部委託することで、コア業務に限られたリソースを注力させることができます。さらに、ノンコア業務に関連する人材の確保や育成にかかる時間とコストの削減も可能です。

「OS」の場合、外部委託する前に、企業内で業務内容を整理し、委託する範囲や水準などを検討する必要があります。すでに業務フローが明確化しているものの、リソースを確保することが難しい企業さまは、「OS」の検討をお勧めします。
一方、自社で「OS」の検討が難しい企業さまもいらっしゃるのではないでしょうか。実際、お客さまからは、
「退職者が続いたため業務をよく知っている人が少なくなった」
「長年同じ方が業務に従事されており、その方しか知らないことが多くマニュアル化されていない」
といったお話もよく聞きます。自社の力だけでは業務の棚卸や見直しは難しいと感じるお客さまが多いのが実状です。このような企業さまは「BPO」の検討をお勧めします。

「BPO」は、まず初めに外部の専門業者が今実施している業務について、詳細にヒアリングを行い、全体フローや業務スケジュールの作成など業務の見える化を徹底的に行います。また専門家の目線から効率化に向け改善方法を提案し、法令の改正に適したアドバイス等を実施することもあります。
実際、弊社と共に「BPO」を進められたお客さまからも、
「ヒアリングを重ねることで理解が深まり、業務の流れがよくわかるようになった」
「気になっていた法改正の部分も対応が出来るようになり安心した」
とのお声をいただきました。
また近年では、お客さまの中でも経営層から業務の効率化を求められることが増え、「BPO」の需要がさらに高まっていると感じています。これまで当たり前のように紙を印刷し、配布を行っていた給与明細や年末調整についても、電子化(システムの導入)を検討される企業さまが増えてきました。

「BPO」では、改善方法を提案することも多く、既存の業務フローが変更になることも少なくありません。業務フローが変更となる場合、関連部署や従業員さまへの説明や周知がポイントとなります。既存の運用方法や業務フローでも時間と人手をかけることで業務が回っている企業さまの場合、従業員さまの中にはなぜそんな面倒なことをしてまで「BPO」を行うのかと疑問に思われる方もいらっしゃいます。そのような従業員の方々に"納得"していただくためにも、「BPO」の目的や外部にノンコア業務を委託することで新たに生まれた時間や人手をコア業務に注力することが出来るというメリットをしっかり伝えることが重要です。また、従業員さまご本人が「BPO」導入で一番感じる変化は"利便性の向上"であると考えます。前述の通り、「BPO」内にて新たにシステムを導入した場合、「自分の携帯から給与明細を見ることが出来るようになった」「年末調整にかかる時間が電子申告によって削減された」等、「BPO」導入の効果を従業員さま自身で体感いただくことが可能です。

デメリット

生産性向上において様々なメリットがある「OS」と「BPO」ですが、メリットばかりではありません。「OS」の場合、外部の委託先は既存の処理方法どおりに作業を実施するため、処理方法自体の改善を期待することが難しい点がデメリットです。また、法令改正等への対応も委託者である企業さまにて対応する必要があり、その都度企業さまにて処理方法を変更し、委託先に新たな処理方法を伝える必要があります。
「BPO」の場合、社外で業務が行われるため、社内で業務内容を把握するのが難しい、ノウハウが蓄積されにくいという点がデメリットとしてあげられます。日ごろから委託先と綿密なコミュニケーションを深める、双方でタイムリーな課題管理や情報連携を行うなど、委託先が実施している業務について見識を深める営みを放棄することはできません。
「OS」「BPO」を検討、導入するにあたってはメリットだけではなくデメリットについても把握し、デメリットに対し、どのように対応していくかを事前に考えておくことも重要となります。

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まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「OS」と「BPO」の違いについてお話ししました。あくまでも、これらは多くの手段のうちの1つでしかありません。どの方法が自社に合っているか、現在の社内の業務は整理されているのか、社内でどのような準備が必要なのかを一番ご存じなのは、従業員の皆さまであると考えています。社内の"いま"をご覧ください。このコラムがなにか気づきのご参考になれば幸いです。

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給与支払事務など間接業務のアウトソーシングによってお客さまの負担を軽減し、本来のコア業務に限られた社内リソースをシフトすることが可能です。勤務管理、給与計算、賞与計算はもちろんのこと、給与明細書発行など、給与担当者が行う業務を代行可能です。

給与計算アウトソーシングに関するお問合せ
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