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健康診断関連業務の外部リソースの活用
2月のテーマは「健康診断関連業務の外部リソースの活用」です。近年、健康経営®※に注目が集まっており、取り組む企業が増加傾向にあります。健康経営とは、社員の健康増進・維持を経営的な視点で捉え、戦略的に実施することを指しており、長期的に社員の満足度向上や企業イメージの向上に繋げることを目的としています。ですが、健康経営に取り組む企業が増加傾向にある反面、厚生関連の担当者が日々の業務に追われて忙しく、手を回せていない企業もまだまだ多くいらっしゃいます。今回は、外部リソースの活用により、担当者の日々の業務の一部である「健康診断業務」の負担を軽減し、空いた時間で社員の健康増進・維持に向けた取り組みを進め、健康経営に着手いただけるよう、「健康診断関連業務の外部リソースの活用」というテーマで、課題やソリューションをご紹介させていただきます。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
後列左から
仲野舞さん、室井真己さん、松下和美さん(社会保険労務士資格保有)、竹田隼さん(社会保険労務士資格保有)
前列左から
西口阿里さん、渡辺由里香さん、岩永優一さん、小阪康祐さん
健康診断業務とは
健康経営に取り組むには、従業員数により異なりますが、法律上実施すべき義務として、健康診断の実施、ストレスチェックの実施、産業医の設置が必要です。
なかでも、従業員50名以上の企業は健康診断やストレスチェックを1回/年以上実施する必要があるため、担当者は毎年、業務が発生します。業務の具体的な内容は、健康診断を実施する提携病院や社員との日程・診断内容の調整、各医療機関から届く健診結果のデータ変換やデータ内容の整理、労基署への報告資料作成等、ストレスチェックにおいては、結果次第で産業医の面談、高ストレス組織の抽出・改善等が挙げられます。従業員の健康把握、管理に関する業務は、長期間、多くの人との調整に手間がかかる業務となっています。
健康診断関連業務における担当者のお悩み
法律上実施すべき義務である健康診断業務等に従事される担当者には共通するお悩みがあると想定しております。
①健康診断業務におけるお悩み
- 健康診断先の病院との連絡に時間を取られている
- 健康診断を受けない従業員が一部おり、受診率が100%に達しない
- 受診率向上に向けた活動に時間を使うことができていない
②ストレスチェックにおけるお悩み
- 紙での実施により、集計が大変
- ストレスチェック実施後、社員へのフォローが難しい
- 他社と比較できる情報がなく、自社のストレス度合いがわからない
③専業の産業医設置に関するお悩み
- 信頼できる産業医を選任できるか不安
- 会社の特性とマッチした産業医の探し方が分からない
- 産業医を設置しておらず、一時的に必要となった場合、対応できない
健康診断業務の担当者は、毎年、スムーズに健康診断を進められるよう、医療機関と従業員の間に立って、検診メニューや日程の調整を実施しています。企業規模によっては、複数の医療機関と契約していることもあるため、医療機関に合わせて電話やメール、郵送など、やりとりの方法にも違いがあり、時間がかかる業務となっています。また、健康診断期間中、従業員によっては業務の都合や体調不良などにより、受診できない場合も多くございます。担当者は受診率を100%に近づけるため、未受診の従業員の抽出、再周知・再調整等の対応、未受診のままで終わらないための対策の検討等も必要です。
ストレスチェックは、厚生労働省へ提出する報告書の作成・管理に向けて、紙で実施している場合はデータ化、データ集計等が大変です。また、ストレスチェック実施後、高ストレス者のフォローや対策の検討等、どのように行えばよいか分からない、または時間がない等のお悩みがございます。
産業医の設置は費用がかかるため、費用対効果を見込める産業医を選任することが理想です。ですが、担当者が、信頼でき、企業特性を理解した産業医を見つけるのは簡単なことではなく、悩まれることも少なくないと想定されます。また、産業医の設置義務がない企業では、一時的に産業医対応が必要となった場合、対応に悩まれます。
健康診断業務等における様々なお悩みに対して、外部リソースの活用を紹介していきます。
お悩みに応じたソリューションのご紹介
①健康診断業務について
ご紹介サービス:健康診断アウトソーシングサービス
https://www.nttbizsol.jp/service/welfare_support/
企業の健康診断担当者と医療機関の間に立ち、健康診断の申し込み・予約・受診状況の報告を実施させていただくサービスです。また、お客様のご要望に応じて、健診前の連絡や受診日・医療機関の変更調整、未受診者への対応、健診結果のデータ化、費用の代行支払い等についてもご対応させていただいております。
健康診断業務をアウトソーシングいただくことで、下図の通り、各医療機関との調整作業が削減できるため、担当者の負担を減らしつつ、今までの健康診断業務を実施いただくことが可能となります。
また、弊社のお客様で、受診日・医療機関の変更調整や未受診者への対応を導入いただいたことで、受診率が向上した実績がございます。
②ストレスチェックについて
ご紹介サービス:ストレスチェックサービス
https://www.nttba-east.co.jp/service/welfare/health_management/health_management_01.html
実施者の代行や医師面接勧奨、集団分析の有効活用、職場環境改善、高ストレス者のフォロー、医師面接など、ワンストップで対応させていただくストレスチェックサービスです。こちらは、紙での実施ではなくスマホやPCにて受診から結果の管理まで一元管理いただくので、様々な観点から分析していただくことが可能で、下図に記載の通り、実施後については職場環境の改善策提案、他社比較等も手厚く対応させていただきます。
③専業の産業医設置について
ご紹介サービス:ドクタートラスト
https://doctor-trust.co.jp/sangyoui/
産業医や保険師の紹介サービスをご紹介させていただいております。
こちらは産業医実績数、登録産業医が多く、お客様の要望に合わせて書類選考や面談をご実施し、産業医を選任いただくサービスとなっておりますので、信頼できる産業医、会社の特性とマッチした産業医をスムーズに探していただくことが可能となっております。契約期間中はほかにも、保健師による衛生委員会の立ち上げサポートやセミナー開催など等も対応させていただきますので、ぜひご検討ください。
NTTグループのヘルスケアについて
前項では健康診断関連業務のアウトソーシングについて、紹介させていただきました。本項では、健康経営に繋がるヘルスケアサービスとしてNTTグループが行っている最新の取り組みを紹介させていただきます。
・ヘルスデータバンク(HDB)
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/health_data_bank/
ヘルスデータバンク(Health Data bank)は2002年から運用を開始した健康管理クラウドサービスです。健診機関から従業員等の健診データを直接受領し、データ形式を統一するデータベースとなっています。HDBに蓄積された健診データを基に、過去の結果の推移などを確認することや健康課題の抽出などが可能となり、従業員(産業保健師)が健康状況を把握する一助となります。
・dヘルスケア for Biz
https://health.dmkt-sp.jp/
ひとつのアプリで健康状態を管理できるサービスです。歩数や体重、血圧、脈拍なども記録できグラフで確認をすることができます。また、同性同年代とのデータ比較も可能となっております。健康に関するコラムが配信されたり、体重測定や歩数計測などの健康に関する行動を行うことで、抽選でdポイントがもらえるような仕組みも展開しています。
・GENOVISION(ゲノビジョン)生活習慣改善サポート
https://service.ntt-lifescience.co.jp/rpts/
遺伝子検査を行い遺伝子配列の特徴点解析を行い、同じ遺伝子配列の特徴点を有する疾患リスクや体質傾向を提示するサービスです。遺伝子検査とは、人間の遺伝子配列に0.1%ほどの個人差があると知られており、その個人差を解析し、世界中で蓄積された研究データと照らし合わせてかかりやすい病気や体質を統計的に分析することです。また、解析するだけでなく解析に基づいた予防法などもお知らせする最新のサービスです。
まとめ
今回は、「健康診断業務の外部リソースの活用」をテーマに健康診断業務のアウトソーシングやヘルスケアに関する取り組みを紹介させていただきました。2019年から感染拡大した新型コロナウイルスの影響で健康に対する意識も大きく変化しています。また、リモートワークなど働き方が多様化し、従業員との対面のコミュニケーションにより健康状態を把握することが難しくなってきています。そこで、このようなさまざまな外部サービスをうまく活用し、従業員の健康把握・管理を確実に実施し、さらなる健康増進に向けた施策に取り組むことが今後重要になってくるでしょう。
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