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食品製造工場やスーパーにおける食品廃棄物の処理負担を軽減

業務用生ごみ処理機とは?種類、メリット、選び方を徹底解説

業務用生ごみ処理機とは?種類、メリット、選び方を徹底解説

業務用生ごみ処理機とは、食品製造工場やスーパーの廃棄物を微生物等の働きで分解し量を削減する機械のことです。食品関連事業者にとって負担の大きい食品廃棄物の処理コストを減らすだけでなく、環境課題の解決につながるとして、注目を集めています。本稿では、業務用生ごみ処理機の種類や導入メリット、選び方について詳しく解説します。

業務用生ごみ処理機とは

業務用生ごみ処理機とは、食品製造工場やスーパーから排出される生ごみを分解等の処理を通じて、量を削減する機械のことです。

近年、食品関連事業者からの食品廃棄物の排出量が課題となっています。農林水産省によると、2020年における事業系食品廃棄物の発生量は1,624万トンで、可食部も275万トン含まれていることから削減が求められています。

通常、生ごみは焼却施設で処分されますが、焼却処理にはCO2の発生や焼却灰の埋め立て等、環境面での課題が残ります。また、食品事業者にとっては処理コストの問題も見過ごせません。特に工場から排出されるゴミは原則として事業系廃棄物として処理する必要があり、回収コストがかかります。

業務用生ごみ処理機を導入すると、食品廃棄物をその場で処理でき、生ごみの減量やコスト削減につながるだけでなく、焼却時に発生するCO2の発生も抑制することで、環境への配慮にもつながるのです。

日本の食品ロスの現状や対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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低コストで実現する企業の食品ロス対策

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低コストで実現する企業の食品ロス対策

  1. 出典:農林水産省「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢

業務用生ごみ処理機の種類

前述のように業務用生ごみ処理機には、大別して「バイオ式」「乾燥方式」「炭化方式」があります。ここでは、3つの種類の概要を紹介します。

バイオ式

微生物が生ごみを分解するバイオ式には、「堆肥型」と「消滅型」の2種類があります。

堆肥型

堆肥型は、微生物が分解した生ごみを、堆肥としてリサイクルする方式です。堆肥型の生ごみ処理機は「コンポスト」とも呼ばれています。生ごみから生成される堆肥は栄養価が高く、畑で再利用すれば循環型社会の一助となります。導入前に、地域内で堆肥の再利用先を見つけておくことが重要です。

消滅型

消滅型は、微生物が生ごみを水やガスに分解し、処理後の残渣(ざんさ:処理後のかすのこと)をほとんど残しません。大幅に生ごみの量を減らせる点がメリットです。微生物の生育環境を整えて維持するために、定期的な整備が必要となります。

乾燥方式

乾燥方式は、生ごみに温風や熱を当てて水分を蒸発させ、量を減らす仕組みです。熱を加えて雑菌や病原菌を死滅させるので、衛生面でメリットがあります。一方で、乾燥方式はバイオ式と比較して残渣が多く残るため、後処理に手間がかかります。

炭化方式

炭化方式は、生ごみを高温で熱分解する方法です。乾燥方式よりも減容(げんよう:廃棄物の容積を削減すること)でき、炭は燃料として使えます。

業務用生ごみ処理機を導入するメリット

3. 業務用生ごみ処理機を導入するメリット

食品製造工場やスーパー等に、業務用生ごみ処理機を導入するメリットを解説します。

SDGsの達成に貢献できる

業務用生ごみ処理機を活用することで、生ごみの排出量を大幅に削減でき、SDGsの達成に貢献できます。SDGsの目標の一つに「つくる責任、つかう責任」が掲げられており、具体的には以下の内容が定められています。

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失等の生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。

  1. 出典:外務省「JAPAN SDGs Action Platform

業務用生ごみ処理機を導入して廃棄量を削減することで、SDGsの目標達成に寄与できるでしょう。

職場の衛生環境を改善できる

ごみの回収日まで職場に生ごみを溜めて放置しておくと、細菌やウイルスが発生しやすくなり集団感染のリスクが高まります。その場で処理できる生ごみ処理機を使用すると、衛生的な職場づくりに役立ちます。

生ごみの処理コストが減る

食品製造工場やスーパーからの廃棄物を処理するには、莫大なコストがかかります。しかし、生ごみ処理機を導入すれば廃棄物が減量され、コスト削減につながる点がメリットです。

一般的に、業務用生ごみ処理機の導入には初期費用がかかるため、助成金が利用できる場合や、初期費用がかからない機械を導入すると、コストをさらに抑えられます。

  1. ※助成金制度の詳細は各自治体へご確認ください。

業務用生ごみ処理機の選び方

再利用などに取り組む優先順位

環境対策や処理コストの削減だけでなく、廃棄物のリサイクルも目的に業務用生ごみ処理機を選ぶ場合、「堆肥型」がおすすめです。微生物が分解した生ごみをリサイクルできる堆肥型は、循環資源として畑の土づくりに役立つからです。

食品循環資源の再生利用を定めた食品リサイクル法では、できる限り廃棄物を出さないよう努めた上で、発生してしまった廃棄物はリサイクルするよう求められています。一般的な業務用生ごみ処理機は、廃棄物の最終処分の減量化に貢献します。

しかし、食品循環の取り組みまで進められる種類は多くありません。堆肥型の生ごみ処理機であれば、環境に配慮しながら循環資源として堆肥を再生利用できるため注目されています。

  1. 出典:農林水産省「食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢」「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針

食品廃棄物から堆肥ができる「地域食品資源循環ソリューション」

5. 食品廃棄物から堆肥ができる「地域食品資源循環ソリューション」

NTTビジネスソリューションズが提供する「地域食品資源循環ソリューション」では、食品残渣発酵分解装置「フォースターズ(FOURSTARS)」を提供しています。

フォースターズに野菜等の食品残渣を投入すると、微生物の働きにより約24時間で発酵します。発酵分解床をリサイクルセンターへ運び、発酵を重ねて堆肥化する仕組みです。堆肥は農作物生産者に提供され、野菜を育てる土づくりに利用されます。

臭いはほとんど発生せず衛生的で、レンタル契約のため初期費用がかかりません。さらに、堆肥化することで循環経済の実現や地域経済の活性化にも役立ちます。

食品製造工場での導入事例

NTTビジネスソリューションズの「地域食品資源循環ソリューション」は、食品製造工場やスーパー等で活用されています。

ある食品加工工場では、製造工程でどうしても出てしまう年間200トン以上の残渣をリサイクルするために、同ソリューションを導入。残渣を廃棄物として処理する場合に比べて、20〜30%ものコスト削減につながったといいます。さらに、堆肥を地域の農家へ提供することで、地域内で食品資源を循環させる仕組みを構築しました。

まとめ

業務用生ごみ処理機を導入する際に、食品廃棄物を減量させるだけでなく、処理後の廃棄物をリサイクルできるかという観点で選ぶことが重要です。堆肥型の業務用生ごみ処理機なら、微生物が分解した生ごみを土づくりに使えるため、SDGsにも貢献できます。

NTTビジネスソリューションズの「地域食品資源循環ソリューション」は、コスト負担を抑えながら食品廃棄物を堆肥化し、地域内に循環の輪を生み出します。

下記のリンクから詳細をご案内していますので、ぜひご覧ください。 

関連リンク

地域食品資源循環ソリューション
https://www.nttbizsol.jp/service/foodwaste-recyclingsolution/

地域食品資源循環ソリューションに関するお問い合わせ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/foodwaste-recyclingsolution

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