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豊かな未来を築くために、EV導入のケーススタディ

自治体/企業のEV(電気自動車)導入のメリットと注意点

自治体/企業のEV(電気自動車)導入のメリットと注意点

社用車や公用車としてEV(電気自動車)を導入する企業や自治体が増加しています。その背景にはグローバルで進む脱炭素化の潮流や、EVそのもののラインアップの増加、航続距離やコストの問題が緩和されつつあること等があげられます。

本稿ではEV導入事例を紹介しながら、自治体におけるEVを導入するメリットや注意点について解説します。

公用車や社用車へのEV導入が進む理由とは?

1. 公用車や社用車へのEV導入が進む理由とは?

2022年12月、埼玉県日高市は、東京ガス株式会社、日高都市ガス株式会社の3者で、EVシステム導入の共同検証に関する基本合意書の締結を発表しました。2023年1月には、同県入間市が、公用車として10台のEVを導入。その充電用として庁舎等に太陽光発電設備を設置しました※1

現在、日高市や入間市に限らず自治体で「EV導入」が広まっています。

その背景として、「脱炭素ドミノ」や「グリーン成長戦略」等の国の政策があげられます※2

脱炭素ドミノとは、脱炭素に向けて主体的に取り組む地域をモデルケースとし、全国に普及させて脱炭素を実現させるという考え方です。また、グリーン成長戦略とは、脱炭素化をビジネスチャンスととらえ、企業成長を支援するために投資やイノベーションを起こすための政策です。

どちらにも自治体でのEV公用車やEVカーシェアリングの導入が具体策として例示されており、注目が集まっています。

また、これまでは航続距離の短さが懸念されていたEVですが、現在はガソリン車に近い距離を走れる車種も増えてきた点も、EV導入が進む一因です。

自治体のEV導入事例

2. 自治体のEV導入事例

ここでは自治体のEV導入事例を5件紹介します。公用車のEVシフトやEVカーシェアリング、さらに蓄電池として活用を広げ、地域における環境負荷の低減や電気料金のコストカット、災害対策等の取り組みが進められています。

神奈川県小田原市

神奈川県小田原市は2020年にEVカーシェアリングを導入する等、企業と共創しながら先進的なエネルギー事業に取り組んでいます。

小田原市は東日本大震災による停電を経験したことをきっかけに、再生可能エネルギーの導入やエネルギー利用の効率化等を推進してきました。エネルギーマネジメントを模索する中、EVカーシェアリングに出会い導入を決意。

単なる移動手段だけではなく、災害時に蓄電池として利用することで災害対策につなげています。

また、一般家庭に設置された太陽光発電の余剰電力をEVに供給することで、エネルギーの地産地消にも役立てています。

東京都東久留米市

2022年6月、東京都東久留米市では災害時の非常用電源の確保を目的の一つとし、EVや太陽光発電の導入に向けた協定を締結しました。

避難所となる公共施設にEVを活用することで、電力を確保し地域の安全を守る役目が期待されています。

また、EVの活用でCO2排出量と電気料金を減少させながら、平常時には設備を有効活用します。

石川県加賀市

石川県加賀市では、再生可能エネルギーを活用する「加賀市版RE100」構想を掲げています。

取り組みの一環としてEVカーシェアリングを導入し、2021年12月より地域住民や観光客、出張者等が利用できるようサービスを展開し始めました。

利用にあたり入会費や月会費、走行距離に応じた追加料金は必要なく、平日夜や週末等に15分220円(税込)~で利用できます。登録や予約はスマートフォンで完結でき、利便性の高さが特徴です。

京都府福知山市

京都府福知山市では、「2040年までに公用車のEV等の割合を100%にする」目標を掲げ、2021年にEV3台を導入しました。

さらに、EVを動く蓄電池として活用し災害時の停電に備えるほか、野外イベントで活用することで、市民の環境や防災意識向上をめざします。

また、購入したEV以外に、災害時には車販売店に配備したEVを無償で利用する体制が整備されており、地域企業と協力しながら市民の安全確保に努めています。

岡山県真庭市

「2050年のゼロカーボン」をめざす岡山県真庭市では、市役所本庁舎を地域由来の再生可能エネルギー100%で使用する等、積極的な環境対策が進んでいます。

EV活用に関しても2022年9月に自動車会社と脱炭素化をめざす協定を締結しました。この締結内容には、災害時に自動車会社からEVを電力源として活用する体制が含まれています。さらに、観光や地域住民の移動手段として活用し、EVの普及に向けた取り組みが盛り込まれています。

EVを導入するメリット

3. EVを導入するメリット

前述で紹介した自治体のEV導入事例を参考にしながら、自治体や企業がEVを導入するメリットについて解説します。またガソリン車と比較した場合のEVのコストや、補助金が活用できる点も大事な要素です。あわせて確認していきましょう。

脱炭素経営、ゼロエミッションシティの推進

EVを導入すると自動車で移動する際の排出CO2をゼロにでき、脱炭素経営やゼロエミッションシティの実現に近づきます。

EVは動く蓄電池として利用できます。たとえば、イベント事業でEVを電源として使用可能です。

また、小田原市等のように、太陽光発電等の再生可能エネルギーで蓄電池を充電すれば、エネルギーを地産地消しながら地域における脱炭素を推進できます。

災害対策等リスクマネジメントへの活用

蓄電池として使用できるEVは、防災やBCP対策としても活用できます。被災地や避難所の非常用電源として使用すれば、携帯電話やエアコン、照明等へ電力供給ができるようになるからです。

自治体等にEVを導入することで、地域のリスクマネジメントに活用できるメリットがあります。

自治体のBCP対策としてディーゼル発電機の設置が挙げられますが、平常時に活用できない課題等を抱えています。一方EVでの対策は、普段は公用車として走行し、災害時は非常用電源として活用できます。

地域への還元

自治体がEVを公用車として導入する場合、EVカーシェアリングサービスを提供して地域還元へつなげることも可能です。

導入事例の自治体のように、職員が使用しない時間帯や休日に貸し出すと、地域住民の利便性が高まります。地域内でサービスを共有するシェアリングエコノミーを自治体が推進すれば、地域活性化につながるのがメリットです。

車両費等のコスト削減

EVを導入すると車両費のコスト削減につながります。EVの方がガソリン車よりも走行にかかるコストが安いからです。

1kmの走行でコストがいくらかかるか、EVとガソリン車で比較すると次のとおり推測できます。

EV 約3.9円/km
(電気料金約27円/kWh ÷ EV電費約7km/kWh)※3
ガソリン車 約7.3円/km
(ガソリン代約160円/L ÷ 平均燃費約22km/L)※4

EV導入にあたり、運用状況のモニタリングサービスもあわせて利用すれば、最適な車両数の分析が可能です。余分に保有していることがわかれば車両数を削減でき、さらなるコストカットが実現します。

補助金の活用

国をあげて脱炭素化が進められる中、EV導入時に補助金を活用できるケースがあります。2023年2月時点で、EV導入時に活用できる国や自治体の補助金を以下にまとめました※5

名称 申請先 概要
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金※6 経済産業省
(執行団体:一般社団法人次世代自動車振興センター)
  • 対象車を購入した個人、法人、地方公共団体が準備整い次第申請可能
  • 2022年度のEV補助上限額は65万円
FCV・EV・PHV車両(燃料電池自動車等の導入促進事業・電気自動車等の普及促進事業)※7 東京都地球温暖化防止活動推進センター
  • 東京都内に事務所や住所を有する事業者や個人であることが条件
  • 事業者は上限額が37.5万円、個人は45万円
埼玉県電気自動車等導入費補助金事業※8 埼玉県
  • 埼玉県内に在住の個人、法人であることが条件
  • EV(普通)の上限額が40万円、EV(軽)は27.5万円

EV導入時に押さえておくべき課題と解決策

4. EV導入時に押さえておくべき課題と解決策

さまざまなメリットを生み出すEV導入ですが、課題についても気を付けなければなりません。ここからは、EV導入の際に知っておきたい注意点や解決へのアプローチを考えていきましょう。

航続距離が短い車種もある

EVの車種によってはガソリン車よりも航続距離が短いものもあり、公用車や社用車をすべてEVに変えてしまうと使い勝手が悪くなる恐れがあります。

しかし、EVの航続距離は400〜500kmと伸びているため、地域内やデイユースで使用する限りでは、十分活用できるといえます。

一度にすべてをEVに入れ替えるのではなく、まずはEV車とガソリン車を併用しながら徐々にEV化を進めていくとよいでしょう。

経路充電がしにくい

EVの充電施設は都市部を中心に整備されていますが、十分に行き渡っているとはいい難く、課題が残ります。EV利用時は道中で充電する経路充電ではなく、事業所等で基礎充電をするのがベースの使い方です。

道中での充電切れを防ぐために、基礎充電の使用状況をマネジメントする仕組みを導入すると、EVを利用しやすくなります。

電気料金が高騰する場合がある

EVの使用状況によっては契約した電力容量を超え、割増料金が発生し電気料金が高騰する恐れがあります。

このような事態を防ぐために、ピークシフトやピークカット等EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入が効果的です。

ピークシフトとは、電力使用量が少ないときに電力を蓄え、使用量が多い時間帯に使用することです。また、ピークカットとは、電力使用量が最も多いときにカットして、電力使用量を削減します。

EMSをEVに活用することで、電気料金の高騰を抑制し、コストカットしやすくなります。

初期導入コストがかかる

EV導入には初期コストがかかります。またEVを蓄電池として利用する場合は、本体に加え太陽光発電システムや充放電設備等、別途費用が必要です。

カーシェアリングを実施する場合は、予約管理システムも用意しなければなりません。さらにコストが必要となり、補助金を利用できたとしても予算の確保が難しい自治体や企業も少なくないでしょう。

そこで次にお伝えする、初期コストを抑えてEV導入を可能にするソリューションが、コスト課題の解決には有効となります。

サブスクでEV導入を実現する「N.mobi(エヌモビ)」

自治体におけるEV導入は進められつつあり、リスクマネジメントの観点でもEVの利用が注目されています。しかし、導入には初期コストの負担が大きく、本格的な普及が遅れているのが現状です。

そのような課題を解決するのが、NTTビジネスソリューションズが提供するN.mobi(エヌモビ)です。N.mobiは、月額のサブスクリプション型で利用できるため、導入の足かせになりがちな初期コストを抑えられる点が特徴です。

さらに運用時において、EMSで電力使用量を調整し、電気代の最適化が図れる点もメリットのひとつです。

加えて、N.mobiのスマートチャージ機能では、車両予約に応じて必要分のみ充電でき、途中充電することがなくなり航続距離を心配する必要がありません。

N.mobiはEV導入の初期コストや運用時のコスト、管理負担を軽減しながら、環境にやさしい地域づくりに貢献します。

N.mobiについて詳しくはこちら

関連リンク

N.mobi(エヌモビ)
https://www.nttbizsol.jp/service/nmobi/

N.mobi(エヌモビ)に関するお問い合わせ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/nmobi

EV充電サービス
https://www.nttbizsol.jp/service/ev_charging_service/

EV充電サービスに関するお問い合わせ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/ev_charging_service

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