事例紹介株式会社 一号舘 様
※掲載内容は取材時の情報です
広帯域かつセキュアなバックアップ回線に更改

高度なPOSレジシステムのバックアップ回線が安価に構築できました
株式会社 一号舘
経営企画室 情報システム課
藤原 弘治マネージャー
事例概要
株式会社一号舘様は、三重県四日市市を中心に食品スーパーなど31店舗を展開。
POSレジシステムのバックアップ回線として利用していたINSネット(ディジタル通信モード)のサービス終了を受け、NTTビジネスソリューションズの「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」を導入。INSネットと同価格帯でありながら、受発注システムなど一定の通信容量が必要なアプリケーションも円滑に動作する、広帯域でセキュアなバックアップ回線を構築した。
業種 | 小売業 |
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規模 | 食品スーパーなど31店舗(三重県29店、岐阜県2店) (2024年3月現在) |
課題 | POSレジシステムのバックアップ回線の更改 |
導入サービス |
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ポイント
- 安価なモバイル回線でセキュアなバックアップ回線を構築
- 最新のアプリケーションにも対応可能な高スループット
- Mobile Base(検証ルーム)で導入構成を事前に検証
AQStage ネットワーク
導入背景
なぜスーパーマーケットでネットワークが重要なのか

経営企画室 情報システム課
藤原 弘治マネージャー
「お客様支持率No.1」をめざすという創業当時からの想いを社名に込めている一号舘様。
“「近くに一号舘があって良かった」と、お客様に心から喜んでいただけることを実現する。”
を経営理念に掲げる同社にとって、「お客様に安心して買い物を楽しんでいただくためにも、POSレジシステムのネットワークは極めて重要」と、情報システム課の藤原さんは話す。
「決済手段が現金からキャッシュレスにシフトしてきている中、ネットワークがダウンしたら、決済ができなくなります。トラブルでレジに行列ができていたら、お客様は買い物カゴを置いて帰ってしまうでしょう。そんな“負”の顧客体験は、良い体験よりもお客様の記憶に残ってしまいます」
営業部門や商品部門、店長なども経験してきた藤原マネージャーは熱く語る。「全社を挙げて、お客様に心から喜んでいただける売り場づくりや商品づくりに心血を注いでいる中で、ネットワークの不具合でお客様に不快な思いをさせてしまうような事態は絶対に避けなければなりません。できて当たり前のことができなかったときのマイナス感情は計り知れないものがあります。安定したネットワークがあってこそ、安心して商売ができるのです」
システムの高度化に伴い、バックアップ回線の広帯域化も懸案に
一号舘様では、基幹業務システムや受発注システムの更改、ポイントカードの導入などによって、ネットワークを流れるデータの容量も増大。万一に備えるバックアップ回線についても広帯域化が懸案となっていた。
「ネットワークトラブル時に、バックアップ回線として利用していたINSネットに切り替わると、クレジットカード決済には支障はないのですが、受発注システムの送信ボタンを押してもクルクル回ったままで、発注業務などが全くできなくなっていました」
折しも、INSネットは固定電話網のIP化に伴い、2024年1月にサービス提供が終了することが発表されていた。そこで一号舘様は代替サービスの検討を始めた。
AQStage ネットワーク
選定理由
「高い実効スループット」と「コストパフォーマンス」
一号舘様では、INSネットのサービス提供終了の発表以降、新規出店した4店舗のバックアップ回線には、独立系通信事業者のモバイルインターネットVPNを採用していた。一号舘様のネットワークを任されているNTT西日本が、ランニングコストなどを考慮して提案した回線だったが、インターネットを経由する通信であるため、セキュリティー面の懸念はあった。また、通信容量5GBのプランを利用していたが、実効速度にばらつきがあり、INSネットと大差ないほど低速になることもあったため、帯域の問題は依然として解消できていなかった。
そこでNTT西日本は今回のバックアップ回線更改にあたり、複数の閉域網サービスを比較検討。NTTビジネスソリューションズの検証ルーム「Mobile Base」を活用し、実際の導入環境を疑似的に構築して実効スループットなどを検証。その結果、実効スループットが最も高く、コストパフォーマンスも優れていたNTTビジネスソリューションズの「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」の容量別プラン(5GB)VPNタイプと「イージーLAN」などを組み合わせて構築するバックアップ回線を提案した。
藤原マネージャーは、「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」容量別プラン(5GB)VPNタイプについて、こう評価する。「新規出店した4店舗のインターネットVPNと、スペック上の容量は同じでありながら、実効速度は高速。また、インターネットを経由しない閉域網接続であるため、セキュリティー上の安心感もありました。」
さらに、既存のインターネットVPNやINSネットと同価格帯であることも重要なポイントだったという。
メイン回線はNTT西日本の「フレッツ・VPN ワイド」であり、バックアップ回線もNTTグループとなるが、「光回線とモバイル回線の組み合わせであり、キャリア分散ができていると捉えています」
と、藤原マネージャーは説明する。
「ネットワーク構成がシンプルになったのもいいですね。保守する装置が減れば減るほど、故障率も低減されますから」

「当社のネットワークの全貌を、私よりも詳細に把握している」
SEへの信頼感と安心感
スーパーマーケットには冷蔵庫・冷凍庫など金属製の大型設備が多数設置されているため、一般的に電波環境は良好とはいえない。さらに、今回の切り替え工事は、買い物に影響が及ばないよう開店前の午前7時から9時の間に完了させなければならなかった。メイン回線を意図的にダウンさせ、自動的にバックアップ回線に切り替わった状態で、クレジットカード決済が問題なく行えるかどうかの試験も、併せて終えておかなければならない。
NTT西日本は、事前に全店舗の電波調査を実施することで、機器の設置場所やアンテナの角度などを細かく調整し、必要な配線工事などをあらかじめ行っておくことで円滑な導入につなげた。
藤原マネージャーはNTT西日本について次のように語る。「当社のネットワークをずっとお任せしてきた実績があり、過去の経緯も含めて、情報システム課で18年間勤務してきた私よりも、当社ネットワークの全貌を詳細に把握してくれています。トラブルがあったときにはフットワーク軽く、迅速に対応してもらえます。そうした信頼の積み重ねがあるので、ネットワークの表面上のスペックだけで他社さんに任せる勇気はありません」
AQStage ネットワーク
導入効果
バックアップ回線に切り替わっても、各種業務アプリケーションが円滑に動作

「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」の導入により、安価なモバイル回線で、セキュアなバックアップ回線を構築することができ、マルチキャリアで光のバックアップ回線を利用する場合と比較してランニングコストを半額以下に抑えられた。
また、INSネットと同価格帯ながら、基幹業務システムや受発注システムなど、ある程度の容量が必要な業務アプリケーションもスムーズに動作する帯域を確保できた。
藤原マネージャーは「先日、ONU(光回線終端装置)を交換した際に初期不良があり、バックアップ回線に自動で切り替わったのですが、AQStageの通信速度なら何の支障もなく業務を継続できたため、切り替わったことにすら気付かないほどでした」と、更改後の運用状況を説明する。
更改前、ネットワークトラブル時に最も影響が大きかったのは、リアルタイムで動いている“トランザクションデータなどの取り込み”ができなくなることだったという。「そのリカバリーのために、ダウンしていた間のデータを時系列どおりに、手作業で取り込んでいかなければならないのが一番大変でした」と藤原マネージャー。「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」の導入により、バックアップ回線も広帯域化したことで、こうした問題も解消できた。
今後の展望
AIの活用などで店舗業務の負担を軽減し、対面サービスに一層注力
「今回、『AQStage ネットワーク モバイルアクセス』を導入したことで、基盤となるPOSレジシステムのネットワークをガッチリと冗長化することができました」と話す藤原マネージャー。
今年は「AI需要予測発注システム」の導入が重点施策だ。店舗の業務の中でも発注業務は大きな比重を占める。AIを活用することで負担を軽減し、売り場づくりやお客様との対面サービスに注力してもらうことも狙いの一つという。
「他のスーパーに行っても売り場には本当にスタッフが少なくなっていて、お客様が何か聞きたくてもレジにしかスタッフがいないこともあります。できるだけ売り場にいる時間を増やすことで、お客様も安心して買い物ができるでしょう。いくら忙しくてもお客様と無言ですれ違うようなことは駄目だと思うのです。『いらっしゃいませ』と笑顔であいさつできる心の余裕が必要です。特に当社は年齢層の高いお客様が多いため、やはりこうした姿勢は大事にしたいと考えています」
他方、「AI需要予測発注システム」では、1時間ごとの実績データをクラウド側に伝送する必要があり、万一遅延が生じると、在庫管理の精度にも影響が及ぶ。このため、安定したネットワークが欠かせない。また今後、DXやSNS活用、スマホ用アプリなども視野に入れているが、どのような施策を実施するにしても、ネットワークが重要になるという。
「NTT西日本には、ネットワークはもちろん、当社の業務に対する深い理解をもとに、幅広いソリューションのラインナップから引き続きさまざまな提案をしてもらえることを期待しています」
企業紹介
「お客様支持率No.1」をめざす
株式会社 一号舘
設立 | 1958(昭和33)年6月 |
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本社 | 三重県四日市市日永東三丁目4番1号 |
社員数 | 1,230人(社員300人) 2023年6月時点 |
事業内容 | 四日市市を中心に地域に密着した事業を展開。食品スーパーの他、ホームセンター、大型ディスカウントストアも運営する。2023年6月に40代の新社長が就任し、IT化や人材育成にも注力している。 |
URL | https://www.ichigokan.co.jp/ |
営業担当者から
お客様からの期待の高さを感じるからこそ、その期待を超えていきたい
一号舘様に限らず、NTTグループの通信サービスに対するお客様からの期待の高さは常に感じており、私たちは「その期待を超えていきたい」という想いで日々取り組んでいます。
一号舘様のトラフィックは、これまでクレジットカードデータが主でしたが、基幹業務システムや受発注システムの更改などにより、流通するデータの容量も大きくなっていました。仮にINSネットのサービス提供が続いていたとしても、バックアップ回線の更改提案は実施していました。
新規出店の店舗で導入していた独立系通信事業者のモバイルインターネットVPNでは、思ったようなスループットが得られなかったため、今回の更改では「Mobile Base」による検証なども含めて、複数の閉域網サービスを比較検討した結果、「AQStage ネットワーク」を提案しました。
「AQStage ネットワーク モバイルアクセス」は、セキュアな閉域網であり、「INSネット」と同価格帯でありながら、広帯域でスループットも高いのが特長です。「イージーLAN」と組み合わせることで拡張性もより高くなり、チェーンストアをはじめ多店舗展開している企業様にも自信を持ってお薦めできるサービスです。
また、私たちは西日本エリアの各府県に拠点がある地域密着型の事業を展開していることを強みとして、お客様に寄り添ったサービスを心掛けています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

NTT西日本 三重支店 神戸 直樹
一号舘 経営企画室 情報システム課 藤原 弘治マネージャー
NTT西日本 三重支店 西口 和輝