事例紹介古賀電機株式会社 様
※掲載内容は取材時の情報です
ローカル5Gで技術伝承
製造業における人材育成の課題に挑む

ローカル5Gで
拠点間の技術格差をなくすことで、
いま以上に一体感のある工場をめざします
古賀電機株式会社
代表取締役 古賀 光晴 氏
事例概要
半導体や液晶パネルの製造装置・医用機器・電子顕微鏡・薬剤充填装置などの生産に不可欠なプラスチック部品を手がける古賀電機株式会社様は、ベテラン社員から若手社員への技術伝承や新入社員の育成という製造業共通の課題に直面していた。この課題を解決するため、ウェアラブルカメラを活用した技術の記録と伝承に取り組む。その基盤となる無線通信ネットワークとして、NTTビジネスソリューションズの「ローカル5Gサービス」を導入した。デジタル技術を活用し、再教育時間の3割以上の削減と、拠点間の技術格差解消をめざしている。
| 業種 | 製造業 |
|---|---|
| 規模 | 85名 / 国内複数拠点 |
| 課題 | 技術伝承・人材育成、拠点間の技術格差 |
| 導入サービス |
ポイント
- 強固なセキュリティと安定した通信の両立
- 4K映像の伝送に必要な高速大容量通信
- 無線局免許の取得支援と専門家によるサポート
ローカル5Gサービス
導入背景
創業65年を超える業界のフロントランナー企業
技術伝承の危機を防ぐためDXを推進
日本の製造業における就業者数は、2002年の1,202万人から2024年には1,046万人へと、20年余りで150万人以上(約13%)減少した。なかでも34歳以下の若年就業者の減少は深刻で、同期間に384万人から259万人へと、約125万人(約33%)減少。若年就業者の減少により、技術を受け継ぐ担い手が不足し、製造業における技術伝承を困難にする大きな要因となっている。また、指導する人材が不足していることも、製造業における人材育成の課題となっている。
古賀電機株式会社様は、精密部品の製造を手がけ、大手半導体製造装置メーカーや大手医療機器メーカーなどと直接取引を行うプラスチック加工専門メーカーだ。60年以上の経験と最新加工機により、高技術を誇っている。しかし、その技術力の伝承が、経営課題として重くのしかかっていた。古賀 光晴 代表取締役が語る。
「今後、労働力はさらに貴重になっていくと思います。そのなかで、当社の課題は大きく2つありました。1つは、ベテラン社員の退職による技術の喪失リスク。もう1つは、若手社員への教育です」
入社するうちの約8割が未経験
デジタルで技術伝承の障壁を無くす
同社に入社する社員のうち約8割が未経験からのスタートとなるため、ほとんどの社員がゼロから技術を身につけなければならない。教育を担えるベテラン社員の数には限りがあり、拠点も複数に分かれているため、すべての拠点に配置するのは難しい。また、ベテラン社員も人によって専門分野が異なるため、必要に応じて拠点間を移動し、指導する必要があった。
「若年層のなかには、分からないことがあっても積極的に教えを請わないケースもあり、再教育が必要になる場合があります。そのたびに先輩社員やベテラン社員の生産時間が減少してしまうという課題がありました」(古賀氏)
若手社員への教育と、ベテラン社員の生産時間確保を考えた古賀氏。デジタル環境が生活基盤となっている若手社員には、慣れ親しんでいる動画を用いた技術伝承が有効ではないかと考えた。さらに、デジタル技術を活用すれば、拠点間のコミュニケーション障壁を無くし、ベテラン社員の拠点間移動も不要になり、生産性も高まる。古賀氏は、こうした取り組みを実現できる方法を調査した。
ローカル5Gサービス
選定理由
安定した通信と高度なセキュリティなどから
「ローカル5G」を選定
技術伝承のためには、ベテラン社員の作業をウェアラブルカメラで記録し、その映像を視聴できる通信環境が不可欠だった。図面は小さな文字が多く、映像品質は4K以上が必須条件となる。さらに、複数人が同時に録画・再生できなければ実用に耐えない。実現めざして調査を進めるなかで、ローカル5Gが選択肢に挙がった。
「半年から1年をかけて、ローカル5Gに関する議論を重ねました。ローカル5G以外の通信方式では、データの保存や再生に時間がかかったり、映像が乱れたり、データがうまく保存されなかったりするリスクが懸念されました」と古賀氏は話す。
検討した結果、安定した通信と高度なセキュリティを確保できるローカル5Gの導入が決まった。また、導入を検討しはじめた初期のころ、調布市にあるNTT中央研修センタ内で紹介を受けたローカル5Gの運用方法や他社事例も、古賀電機様の判断を後押しした。
無線局免許の取得を専門家に任せられる安心感
ローカル5Gの運用には無線局の免許が必要だが、NTTビジネスソリューションズの「ローカル5Gサービス」では、利用企業が自ら免許を取得する必要がない。古賀電機様にとって、これが選定理由の1つだった。
「ローカル5Gの専門家が社内にいないため、自社で免許取得をするのは非常にハードルが高いと考えていました。その部分を任せられる点は、大きなメリットでした。専門家に任せることで、トラブルが発生した際にも対応してもらえるので安心できます」(古賀氏)
もう1つの決め手は、サービス提供者としての事業の継続性と安定性だ。ローカル5Gは通信インフラであり、一度導入すれば長期にわたって利用し続ける。その提供元が事業を撤退すれば、利用企業は大きな影響を受けてしまう。経営者の視点で古賀氏が語る。
「サービスをいかに長く、持続的に提供できるかは重要なポイントでした。実際に、他社では5G関連の開発機器が提供中止になったというニュースも確認していました」
NTTビジネスソリューションズが、ローカル5Gの制度化当初から積み重ねてきた構築実績とNTTグループの信頼性が安心感につながった。
ローカル5Gサービス
導入効果
ウェアラブルカメラを活用し
再教育にかかる時間を3割以上削減へ
古賀電機様がローカル5Gを導入したのは、新設の工場だ。そのため、建設スケジュールとの連携が不可欠だった。「建設スケジュールが後ろ倒しになりましたが、柔軟に対応いただき非常に助かりました」と古賀氏は話す。NTTビジネスソリューションズと、ほぼ毎週のペースで打ち合わせやメールのやり取りを行い、建設工程の変動に合わせた調整が進められた。
同社にとって新設工場が初のローカル5G導入拠点であり、トライアルを実施し、効果が確認できれば他拠点にも展開する戦略を描いている。2026年3月時点では環境構築が完了し、本格運用に向けた準備が進められている段階だ。まだ本格運用は開始されていないが、技術伝承の面で大きな導入効果を期待している。めざす効果について、古賀氏が語る。
「すべてが動画で置き換えられるとは考えていないので、初回の教育ではベテラン社員が直接教えます。その後は日常的にベテラン社員の作業をウェアラブルカメラで記録し、必要に応じて若手社員が映像を確認することで、作業や技術への理解を深めてもらいます。また、今後採用する人材へのOJT(On-the-Job Training)の補助としても活用できるようになります。こうした取り組みにより、社員の再教育にかかる時間を3割以上は削減したいと考えています」
再教育にかかる時間が3割以上削減できれば、指導を担うベテラン社員の生産に充てられる時間が増え、生産性の向上が見込まれる。
AMRの導入により生産性向上と残業時間の削減をめざす
古賀電機様の新工場内には、EV対応のAMR(自律走行搬送ロボット)を導入し、DX・GXを推進していく。すでにAMRの設置は完了しており、本格稼働に向けて調整している。導入したAMRはNTT中央研修センタ内のテストルームで存在を知り、後日メーカーに問い合わせたところ、自社の用途にマッチしていたため採用を決めた。
ローカル5Gはハンドオーバー機能による低遅延の切り替えと、少数の基地局でのエリアカバーが可能だ。そのため、Wi-Fiと比較して、多数のAMRを安定して運用できる。AMRの導入によって期待していることを古賀氏が話す。
「生産性が向上し、社員が早く帰れるようになります。早く消灯できるようになるので、環境にも優しい工場になるのではないかと考えています」
ローカル5Gサービス
今後の展望
ローカル5Gを活用し、
「いま以上に一体感のある工場」をめざす
古賀電機様がローカル5Gを通じてめざす姿について、古賀氏が語る。
「ローカル5Gを含めたデジタル技術を活用して、コミュニケーションを活発にし、拠点間の技術格差をなくすことで、いま以上に一体感がある工場をめざしていきたいと考えています。これまでは、拠点ごとに独自のものづくりの考え方があり、技術レベルにも差がありました。ローカル5Gを活用した動画によるOJTができるようになれば、拠点間の技術レベルが平均化されていくのではないかと期待しています」
そのためにも、NTTビジネスソリューションズには、サービスの安定提供やトラブルが発生した際の迅速な復旧対応を期待しているという。
日本のものづくりの最先端を担い続ける
「日本のものづくり文化と経験、技術力を伝承し、今後も社会の快適と安心に携われる仕事をしていきたいと考えています。当社は大手半導体製造装置メーカーや大手医療機器メーカーなどのお客さまと直接の取り引きをさせていただいており、日本のものづくりの最先端に関わっているという自負を持っています。今後も当社の技術を活かしたサービスを提供していきたいと思います」と古賀氏は熱く語る。
企業紹介
日本のものづくりの最先端を支える
古賀電機株式会社
| 設立 | 1960(昭和35)年11月 |
|---|---|
| 本社 | 東京都品川区東大井1-5-3 |
| 従業員数 | 85名 |
| 会社概要 | 半導体や液晶パネルの製造装置・医用機器・電子顕微鏡・薬剤充填装置などの生産に不可欠なプラスチック部品を手がける、業界のフロントランナー企業 |
| URL | https://kogadenki.co.jp/ |

営業担当者から
お客さまは、日本のものづくりの最先端を支える高い技術力をお持ちである一方、ベテラン社員の技術をいかに次世代へ確実に継承していくかという、製造業共通の大きな課題に向き合っておられました。
ウェアラブルカメラによる4K映像を活用した技術伝承の実現には、高速・大容量かつ安定した通信と、工場内で安心して利用できる高いセキュリティが不可欠であり、その基盤としてローカル5Gサービスをご採用いただきました。
新設工場の建設スケジュールに合わせた構築調整や、免許取得を含む専門的な支援をお任せいただけたことも、当社サービスの価値をご評価いただけた結果だと感じております。
DXへの取り組みが求められる製造業界においてローカル5Gサービスをはじめとする幅広いサービスのご提案を行い、お客さまのお役に立てるようお手伝いが出来ればと考えています。
