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事例紹介中日本高速道路株式会社 様

※掲載内容は取材時の情報です

クラウドシフトで多拠点運用のBCP対策を強化
音声認識とAIで月146時間の通話後処理を削減

NEXCO中日本_鈴木さま_植木さま

インフラ企業同士、
社会的使命や組織風土にも
通底するものを感じました

中日本高速道路株式会社

経営企画本部 広報部 CS推進課
植木 恵美 課長代理
鈴木 拓史 係長兼専門副主幹(CRM担当)

事例概要

中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)様は、「お客さまセンター」のBCP対策強化やオペレーター業務の変革をめざし、NTTビジネスソリューションズの「AQStage IPコールセンタサービス」を導入。クラウドシフトにより拠点や属人性の制約を解消するとともに、AIを活用し月146時間に上る通話後処理業務の削減を実現した。

事例要約版ダウンロード

業種 サービス業
センター規模 2拠点・40席
課題 オンプレミスCTIによる場所の制約
災害・パンデミック時のBCP対策
応対記録の質的向上
通話後処理の負荷低減
導入サービス

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」

ポイント

  1. 拠点に依存しない運用体制の確立
  2. 通話後処理時間の削減(146時間/月)
  3. 生成AIによるお客さまの声の可視化と分析
  4. VOCを生かしたPDCAサイクルの確立

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
導入背景

24時間365日、
ドライバーの快適な通行と安全を「声」で支える

日本道路公団の分割民営化により2005年に設立されたNEXCO中日本様は、「6つの基本姿勢」の最初に「お客さま起点で考える」を掲げる。2008年に発足した「お客さまセンター」は、ETCの普及が進んだ今、料金所とともに顧客接点の最前線を担い、24時間365日、利用者からの問い合わせなどに対応。その数は1日約 900件、大雪や台風などの際には1日6千件を超える日もある。

顧客の声をサービス品質向上に活かす取り組みには定評があり、2022年から3年連続で「CRMベストプラクティス賞」(一般社団法人CRM協議会)を受賞している。

説明図解

NEXCO中日本様が管理する高速道路(約2,200km)の約6割は開通から30年以上が経過しており、各地で計画的にリニューアル工事を推進。工事による車線規制に伴い、迂回ルートや料金、渋滞予測などの問い合わせも発生している。

NEXCO中日本_鈴木さま
CS推進課の鈴木拓史係長兼専門副主幹(CRM担当)

「工事を進めながら快適にご利用いただくためには、お客さまのニーズに沿ったきめ細かな情報提供が欠かせません」と話すのは、CS推進課の鈴木係長。

「問い合わせばかりでなく、時には事故の当事者からの入電もあります。『事故に遭われた方は110番へ、落下物を見つけた方は#9910へ』と音声ガイダンスを流していますが、パニック状態になってしまう人も多いようです。降車して車道に出てしまうと極めて危険であるため、即座に各地の道路管制センターへ内線転送し、連携して安全を確保します。このような緊急時の対応を必要とするコールセンターでもあります。」と、鈴木係長は真剣な表情で語る。

コロナ禍で痛感した
「場所の制約」と「属人化」のリスク

オンプレミス型のCTIシステムを運用してきたNEXCO中日本様がクラウドシフトを決断した背景には、コロナ禍で実施した多拠点運用での苦い経験があった。

「フリーダイヤルのカスタマーコントロールから転送した2拠点運用や、スマートPBXを活用したテレワークの運用などを行ったのですが、オンプレミスCTIの管理外の受電対応は記録が残らず、オペレーターの受電数の調整も容易でなく、現場の負担は大きいものでした。打開策として、クラウド型の遠隔操作ツールを活用したリモート操作を行いましたが、システム操作が複雑化したうえ、音声やPC操作にタイムラグが発生し、生産性は約20%低下しました」従来のシステムでは、拠点外での受電に複雑な設定が必要だったことも災いした。

「実は、コロナ禍で急遽別拠点を何とか立ち上げて帰宅すると、私が高熱で倒れてしまいました。システムの設定を詳細に把握しているのが私一人だったため、朦朧とする意識の中、リモートで他の担当者に毎日の切り替え操作を説明することに…」

この経験からと鈴木係長は「特定の拠点や属人的なスキルに依存する運用には限界がある」と確信し、システムの更改にあたっては「特定の拠点に依存しないクラウド化」や「属人化の排除」などを重視した。

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
移行の舞台裏

不測の事態にも臨機応変に伴走し、
スケジュールどおりに移行

新たに導入が決まったのは、NTTビジネスソリューションズのAQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」をベースにしたシステムだった。

システムの移行に当たり、鈴木係長は、またもや不測の事態に直面する。

「当初は本社とテレワークだけでスタートし、多拠点運用はシステム導入後にじっくり進める予定でした。ところがシステム移行中に九州エリアに新たな拠点を立ち上げることとなり、いきなり2拠点でクラウドCTIの機能を活用することになったのです」

余裕を持って1回線ずつ行う計画だった電話回線の切り替えも、一斉に切り替えることに。NTTビジネスソリューションズはNTTグループの力を結集し、オペレーターが混乱することのないよう一人ひとりに付き添ってきめ細かくフォローしたほか、九州の新拠点でも操作トレーニングを実施するなど、スムーズな移行に向けて迅速かつ柔軟に伴走。鈴木係長は「感謝しかありません」と頭を下げる。

インフラ企業同士、
通底する社会的使命や組織風土

鈴木係長は、クラウドなどの先端技術だけでなく、NTTグループが強みを持つ電話や交換機をはじめとするレガシー系の知識や、豊富な経験に裏打ちされた実践的な現場の知恵やノウハウも高く評価する。

「本来110番へ通報されるべき入電は、即座に各地の道路管制センターへ転送する必要があるため、拠点間内線通話機能の実装は必須でしたが、こうした電話関連の質問に対しても『できる・できない』の回答が極めて迅速でした。まさに即レスという印象で、回答を待つための無駄なタスクや脳のリソースを使う必要がなく、そのスピード感にも助けられました」

NEXCO中日本様も、NTTビジネスソリューションズの親会社であるNTT西日本も、災害対策基本法に基づき、内閣総理大臣から「指定公共機関」に指定されている。

「インフラを支える企業同士、『まずリスクを先に提示する』という文化が共通しており、事故や災害が発生した際の緊急性や背後にある社会的使命などについて言語化しなくても伝わるため、非常にストレスのないコミュニケーションが図れました」

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
導入効果

AIによる「月146時間の後処理削減」と
「業務の断捨離」

NEXCO中日本様がAQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」の運用を開始したのは2025年11月。遠隔地に拠点が分散しても、管理画面一つで全拠点の稼働状況や会話内容をリアルタイムに把握できるようになった。

「オムニチャネルプラン」の基盤となっている「Genesys Cloud CX」の操作性について、鈴木係長はこう評する。「当初は独特のUI(ユーザーインターフェース)のように感じましたが、海外の人気ゲームのUIに似ていると気づいてからは、操作に面白さも感じています」

導入後1カ月を経て、オペレーターの1通話当たりの後処理時間(ACW:After Call Work)は平均30秒短縮。組織全体で月146時間の余力が創出された。

NEXCO中日本_CC内オペレータ

これを実現しているのは「オムニチャネルプラン」と連携させて運用している音声認識システム「ForeSight Voice Mining」だ。NTT研究所が開発したディープラーニングに基づく高精度な音声認識技術を活用しており、オペレーターとお客さまの通話内容をリアルタイムにテキスト化し、通話終了後には、通話内容の要約文を生成する。

「以前は、膨大な応対件数に対し、手動の記録作業がボトルネックとなり、大部分がフラグ(項目選択)のみの記録に留まり、具体的な質問内容や対話の経緯は記録できていないのが実情でした。記録した場合でも、要約の精度はオペレーターのスキルに依存していたため、標準化したいと考えていました」

ところが鈴木係長は現在、要約のスキルさえ不要だと言い切る。

「オペレーターには『AIの要約が間違っていても直さなくてよい』『そもそも確認もしなくてよい』と伝えています。その作業を“断捨離”することで、オペレーターはお客さまとの応対だけに集中できます。ネガティブな応対内容の場合、録音を聞き直すのは相当つらいことですが、AIならドライに要約してくれます。管理者は、必要に応じて要約前の全文や録音を参照することもできます。オペレーターのストレスを軽減しつつ、必要な情報を以前よりも詳細に抽出し、事業運営に活かせるようになったのです」

利用イメージ

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」
今後の展望

システムの利便性が導く自発的な行動変容

不測のトラブルなどを乗り越えて、システム刷新プロジェクトを主導してきた鈴木係長が、仕組み化による成功体験を独自の視点から振り返る。

「思い描いた構想が、システムとして具現化され、想定どおりに機能した瞬間には、まるで複雑なパズルがピタッとはまった瞬間のような爽快な楽しさが味わえます。これまでスーパーバイザーがヘッドセットを耳に当てて行っていたモニタリングは、今やPC画面上でリアルタイムテキストを見るスタイルへと変わりました。システムの利便性によって自然と行動が変わっていく。こうした仕組みによる『行動変容』こそが、私がこの仕事で面白いと感じるポイントです。」

DXを推進していく上での示唆に富んだ話だ。

国産AIに期待

「私は、最終的にあらゆる問い合わせ対応を国産AIが担う未来が理想だと思っています。グローバルなプラットフォームの利便性は認めつつも、日本の公共インフラを守るAIは、日本の文化や背景を深く理解した日本企業が支えるべきだと考えています。NTTグループがこの分野を牽引してくれることを期待しています」

企業紹介

もっと安全に、もっとスムーズに

中日本高速道路株式会社

設立 2005(平成17)年10月1日
本社 名古屋市中区錦2丁目18番19号
従業員数 2,301人(2025年3月31日現在)
事業内容 中日本エリアにおける高速道路の新設および改築などを行う「建設事業」、点検・補修・災害復旧・料金収受などを担う「保全・サービス事業」が主軸。サービスエリアの管理・運営やインターチェンジ周辺の地域開発、観光振興のほか、海外事業も手掛けている。
URL https://www.c-nexco.co.jp/

中日本高速道路株式会社

担当者から

NTTグループの総力を結集して伴走し続けます

人命にも関わる極めて重要なコンタクトセンターの更改を任せていただくにあたり、「絶対に止めない」「考慮漏れを許さない」という強い覚悟を持って臨みました。

急遽の拠点追加や要件変更などもありましたが、NTTグループが一体となり、現地での操作トレーニングを含め、グループの総力を結集し、当初のスケジュールを変更することなく完遂することができました。

導入はあくまでスタートです。これからもNEXCO中日本様の業務に深く寄り添い、AI活用をはじめとする新たな業務改善のステップを共に歩むパートナーとして、伴走し続けます。

AQStage IPコールセンタサービス「オムニチャネルプラン」は、AIを搭載したクラウド型のサービスです。生成AIがお客さまとの応対内容に基づいてナレッジを提案するなど、オペレーターを強力にサポートし、通話時間やACWを削減します。

NTTビジネスソリューションズ_担当者
NTTビジネスソリューションズ
バリューデザイン部 ソーシャルイノベーション部門
IPCCビジネス担当
小林 誠士(左)/ 国分 嵩達(中)/ 安原 汰唯我(右)

さまざまな活用例などもご紹介できますので、ぜひお気軽にご相談ください。