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事例紹介ネスレ日本株式会社 様

導入製品・サービス:

※掲載内容は取材時の情報です

RPA導入によるコールセンター業務の
品質管理向上を実現

「RPAツールの導入により1日30分かかっていたデータ出力業務が0分に!リアルタイムに応答率の速報値が出せるようになりました」

ネスレ日本株式会社
マーケティング&コミュニケーションズ本部
コンシューマーリレーションズ部

中山 剛志 氏

事例概要

「ネスカフェ」や、「キットカット」をはじめ、暮らしに身近なさまざまな食品・飲料を扱っているネスレ日本様では、エンドユーザーとの主な接点としてコールセンターを展開している。さらなるサービス向上をはかるため、お客さまの声が集まるコールセンター業務の簡素化・効率化を図るべく、神戸本社内で運営するコールセンターにNTTビジネスソリューションズのRPAソリューション「WinActor®」を導入した。

業種 民間
規模 コールセンタースタッフ 約70名
課題 毎時間・毎日のレポート出力業務における簡素化・スピード化
導入サービス

RPAソリューション「WinActor®」

ポイント

  1. 業務自動化による稼働削減や生産性向上を実現
  2. 直感的に操作できるインターフェース
  3. トライアル時からアフターケアまでサポート体制が充実

RPAソリューション「WinActor®」 導入背景

応答率のレポート作成に多大な時間がかかっていた

ネスレ日本株式会社
中山 剛志 氏

世界186カ国で展開する世界最大の食品・飲料企業ネスレ。「ネスカフェ」や「キットカット」をはじめ、ペットフード、栄養補助食品等にいたるまで、ネスレの日本法人である同社は、100年超の歳月を経て日本市場で高いシェアを築いてきた。

「私たちメーカーにとって、お客さまから直接いただく声は大変貴重なものです。時には励ましの声を、時にはお叱りの声をいただくこともありますが、これらさまざまなご意見の中には新しいサービスのあり方や商品開発のヒントが隠されており、コールセンターは経営上とても大切な部門であると認識しています」

コンシューマー リレーションズ スペシャリストの肩書きをもつ中山氏は、入社以来、一貫して同社のコールセンター運営に携わってきた。この経験から、電話・メール・チャットボット等、多岐にわたるお客さまとのコミュニケーションにおいて、「もっと有用に、さらに有機的に稼働するソリューションはないか」を模索していたという。

「日々運営しているコールセンターでは応答率・稼働効率の向上が重要で、KPI(評価指標)の把握は必要不可欠です。オペレーターの応答率や稼働状況の記録、受注システムの登録といったレポート作成をスムーズに管理することを徹底する必要がありました。レポートチームが専属で作成をしていましたが、この業務に多くの時間がかかっていました」

コールセンターでオペレーターの統括を担うSV(スーパーバイザー)は、上記管理を徹底するために、個別のコールへの対応だけでなくチーム全体の状況把握を可能とするレポートの作成と、継続的な改善活動が日々求められていた。

一方、レポートチームでは、オペレーターの応答率のレポート作成だけでも、1時間の受電率と稼働率を、1~2時間ごとに各チームにメール配信してリアルタイムに共有していた。

「人によって作業スピードが違いますし、正確性を含めて属人的な要素が非常に多いのが懸念点でした。頻発しがちなヒューマンエラーをなくしていくことが必要でした」

RPAソリューション「WinActor®」 選定理由

1か月半のトライアルを実施
いかに効率よくレポートを作成できるかが一番の焦点

「数値の正確性を担保し、よりリアルタイムに配信することができないか」と中山氏は考え、課題解決につながるヒントを得るために向かったのが業界向けの展示会でした。
「そこで知ったのが『WinActor®』です。NTTビジネスソリューションズのブースでお話を伺い、課題の洗い出しから将来像のイメージづくり等、商談時から親身になっていただきました」

WinActor®を導入することで可能になる業務の自動化は魅力的なものの、同社特有の課題を解決するソリューションとして機能しなければ意味がない。

「業務の自動化を実行するためのシナリオは、レポート作成に必要なデータの取得や応答率の速報値、協力ベンダーに情報提供するためのドキュメント、ファイルの作成といったものが中心です。メールの自動送信までも機能に含まれているので、『現場が求めているものはこれだ!』と感じました」

そこで2020年11月から1ヶ月半、まずはトライアルのシナリオを2,3本組み、テスト運用からスタートした。

「レポートチームでは時間に追われながらの作業が恒常的に発生していたため、いかに効率よく応答率のレポートを作成できるかがツール導入における一番の焦点でした。どの作業を自動化するか、どの順番で組むかはSVだけでなく現場のスタッフを含めて検討を続けました」

提案段階から導入、アフターフォローまで、NTTビジネスソリューションズの営業とSEが連携して担当。当時を振り返った中山氏は

「営業担当の方だけでなくSEの方にも、すごく丁寧にご対応いただきました。トライアルの段階から細かくヒアリングをしていただき、そこが導入の決め手になった部分も正直あります」

RPAソリューション「WinActor®」導入効果

応答率のレポート作成が1日30分から0分に!
同時に人的リソースの最適化を実現

「これまで応答率のレポート作成には、ローデータの出力からレポート作成まで全てを一人で作業すると1日30分かかっていました。この作業がすべて自動化され、1カ月、1年単位で考えると膨大な時間を削減できたことになります」

レポートチームの業務負担が軽減され、社員のモチベーション向上にも直結。SVはレポート作成にかかっていた時間を別の業務にあてることができるようになり、会社の生産性も向上。そして中山氏が「これは大きかった」と振り返るのが業務稼働の安定性だ。

「レポートチームが稼働しないタイミングでも自動でレポートを出せるようになったので、コールセンターの運営が安定しました。また課題としていた属人性も大幅に解消。データを入力する人によってムラがあったスピード、数値の正確性も高まりました」

これまで応答率の速報は基本的に2時間ごとに出していたが、数字がよくない、パフォーマンスに改善の余地ありと判断したときは1時間刻みでレポートを出し、レポートチームのその場の判断に委ねられていたという。そこを自動化することでいつも同じタイミングで配信できるようになり、確実にリアルタイムの数字を出せるようになったのも大きな効果だ。

応答率の可視化により、オペレーターもお客さまをお待たせしないといった意識をこれまで以上に醸成できたという。電話を受けた後の業務を簡素化することで工数を圧縮でき、さらに待機時間を減らすことで多くの電話をとれるようになり、顧客満足度の向上にもつながる好循環のサイクルを実現した。

「SVは、速報値を見て、応答に時間がかかっているオペレーターのサポートや、改善策を考えることが可能になり、作業工数と時間の大幅な節約になりました。また、『WinActor®』導入後は、レポートチームも少数精鋭で運営できるようになりました。これにより、コールセンター全体でメンバー配置の最適化を図れたことも大きなメリットでした」

今後の展望

RPA専属部隊をつくり、業務自動化のノウハウをナレッジとして蓄積していく

「コールセンター運営にはレポートチームだけでなく、有人チャットや電話応対チーム等、さまざまなスタッフが働いています。他のチームにも共有して、それぞれの業務を効率化していきたいですね」と今後について語る中山氏。

まずはレポートチームがブラッシュアップしてから、各チームに水平展開していきたい考えだ。さらに中山氏が思い描くのは、「RPAチーム」の立ち上げだ。

「現在、RPAの深いところまで理解しているのが上長と私しかいません。検討事案が出てきたとき、まずは2人でしか相談ができないのです。『このフェーズをよりシンプルにできたら』という視点で、業務を俯瞰できる人が各チームに1人いれば、きっと新たな発想やシナリオ、ノードの組み方等にもいいアイデアがもらえると思っています」

エラー解消・シナリオの安定稼働ができるだけでも大きなサポートとなる。各チームのSV以上の役職者に解除方法をレクチャーし、実際困ったときには対応してもらうといった連携は昨年末から少しずつ始めている。

「RPAを導入したきっかけは、コールセンター内のレポート作成業務の自動化といった限定的な部分です。だからこそまだまだ可能性が広がっているように感じます。お客さまの声はコールセンターだけでなく、別事業部が担当している公式SNSでも集めているため、そうした声を有機的に集められる仕組みづくりができたらいいですね。WinActor®の活用について、NTTビジネスソリューションさんと連携しながら、さらに業務効率化を進めていきたいです」と中山氏は今後に期待を膨らませる。

  1. ※「WinActor®」はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です
  2. ※NTTビジネスソリューションズはWinActor®の販売店です

企業紹介

ネスレ日本株式会社

本社 兵庫県神戸市中央区御幸通7-1-15
社員数 約2,400人(グループ各社社員含む)2022年12月現在
事業内容 飲料、食料品、菓子、栄養補助食品、ペットフード等の製造・販売
URL https://www.nestle.co.jp/

営業担当者から

受電・架電だけでなくバックヤードの改善もサポートします

NTTビジネスソリューションズ
バリューデザイン部 バリューインテグレーション部門 CXコンサル担当
桑田 賢二、三科 舞衣

コールセンター業務のIT化、DX推進に取り組もうとする企業様が多い中、その多くは実際にユーザー様とコミュニケーションをはかるフロント側に目が向けられがちです。音声認識技術を駆使して、お客さまとの円滑なやりとりを叶えようとしている企業様も多いでしょう。

その一方、お客さま対応の内容入力や要望に応じて契約を変更するといったバックヤード側の業務には、まだまだ見直せる部分が多いです。コールセンター全体の業務効率化や経費削減を考えた場合、こうした視点で改善策を検討してはいかがでしょうか。

お客さまの課題に応じたご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。