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労働力不足の解消

【Q&Aレポート】ウェビナー:VUCAの時代を生き抜く!優秀な人材の定義と育成

変動と不確実性が常態化する現代社会においては、組織の真価を問われるのは「人」の力です。12月12日(火)に開催されたオンラインセミナー「VUCAの時代を生き抜く!優秀な人材の定義と育成」では、仲山考材の代表、楽天大学の学長を務める仲山進也氏と、T&Dコンサルティング代表の増子裕介氏をゲストに迎えそれぞれの経験を基にした基調講演とトークセッションを行いました。

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本レポートでは、当日募集した質問について回答を掲載しています。
ご質問いただいた参加者さま、誠にありがとうございました。

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【基調講演】これからの時代に求められる「優秀人材」~その定義と育成メソッド~

第1部では、株式会社T&Dコンサルティング代表取締役の増子裕介氏に「これからの時代に求められる「優秀人材」~その定義と育成メソッド~」というテーマで、基調講演を開催いただきました。

増子 裕介 氏(株式会社T&Dコンサルティング代表取締役)
東京大学卒業後、株式会社電通に入社。約20年の営業生活を経て、新規人事プロジェクト等に参加。継続的に高い成果を上げている社員に共通する「能力」の見える化に成功。現在は人事コンサルティングの株式会社T&Dコンサルティングを立ち上げ、代表取締役として活躍中。著書に『ハイパフォーマー思考 高い成果を出し続ける人に共通する7つの思考・行動様式』など。
https://tandd-c.co.jp/

視聴者からの質問

セミナーの中で視聴者から寄せられた質問に関して、増子氏よりご回答いただきました。

Q)「カネが取れる仕組み」を考えると「自分の軸」を持つは両立するのか。こだわりを捨てきれずにマネタイズに失敗する例は多いのではないか。

A)ここで言う「自分の軸」は「市場価値のある卓越したスキル」のことで、例えば「商品の売上アップに寄与するコピーが書ける」、「ハイパフォーマーに共通する思考・行動を言語化できる」といったものを指しています。セミナーでも申し上げました通り、「組織のトラ」でいうと「突出した成果と個性がある」に該当します。従いまして、「カネが取れる仕組み」と矛盾しないどころか直結しており、ご指摘のような「マネタイズできないこだわり」は我々の定義においては「自分の軸」ではありません。

Q)コミュニケーションと、傾聴が分かれていましたが、ここでいうコミュニケーションとはどのようなものになるのでしょうか?(個人的には傾聴がコミュニケーションの一部と感じるため、疑問に思いました。)

セミナー投影資料より

A)このデータは『トップグレーディング採用術(ダイレクト出版、2016年1月)』(資料参照元は『採用学(新潮社、2016年5月、服部泰宏)』)で紹介されたものなのですが、著者のブラッド・D・スマートは下記のように定義しているようです。コミュニケーション=具体的な情報のやり取り傾聴=質問や言い換え等を活用し、相手の真意を確かめながら聴くこと「コミュニケーション」には様々な定義が存在し、当社においてはご指摘いただいた「傾聴」を含めています。 

Q)「状況を批判的に捉える」と、「何とかなると思ってやってみる」は矛盾しないのか

A)拙著で紹介した「7つの思考行動」は、To Doリストではなく、時間軸を伴ったストーリーになっています。「この順番でやっていただければうまくいきやすいですよ」ということなので、まずは「何とかなると思ってやってみる」からスタートし、「柔軟に方向転換する」以降のステップを踏んでいき、その上で、必要に応じて「批評的に捉える」というステップを踏んでもいいよという趣旨です。拙著でも「これはあくまでオプションだ」ということも強調していますので、最初から「批判的に捉えて」いるような人はローパフォーマーだと思います。所定のステップを踏んで自分がプレーできる場所を見つけ、不断の学習を続けて成果を上げている人が、それでも敢えて「今自分がいる場所がベストなのか?」とクリティカルに捉え直すことがあっても良いということなので、時間軸を含めて考えれば矛盾しないものだと思っています。

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※本基調講演内で使用した引用・参考文献は以下の通りです

【基調講演】組織にいながら、自由に働く。 「組織のネコ」という働き方編

第2部では、仲山考材株式会社代表取締役/楽天グループ株式会社楽天大学学長である仲山進也氏に「組織にいながら、自由に働く。 「組織のネコ」という働き方編」というテーマで、基調講演を開催いただきました。

仲山 進也 氏(仲山考材株式会社代表取締役/楽天グループ株式会社楽天大学学長)
慶應義塾大学卒業。シャープ株式会社を経て、創業期(社員約20名)の楽天株式会社に入社。2000年に楽天市場出店者の学び合いの場「楽天大学」を設立、人にフォーカスした本質的・普遍的な商売のフレームワークを伝えつつ、出店者コミュニティの醸成を手がける。
著書『「組織のネコ」という働き方』『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方──カオスな環境に強い「頭のよさ」とは』『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質』『組織にいながら、自由に働く。』『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』ほか。

視聴者からの質問

セミナーの中で視聴者から寄せられた質問に関して、仲山氏よりご回答いただきました。

Q)成長する企業は、4つのタイプの割合はどうあるべきでしょうか。大企業ほどイヌが多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

A)僕が楽天に入った時は20人ぐらいで、三木谷浩史さんというトラが一頭いて、他は新卒でそこそこ大きめの会社に入ったけど、何かちょっと違うなと思って第2新卒的に転職をしてきたネコ20匹みたいな構成になっていました。事業が立ち上がってくると、イヌっぽい「ちゃんとした人」が入ってくるようになってきたという流れがありました。どの割合が正解とかではなくて、どういう仕事があってどういう割合だったらちょうど良いのかを考えるのがよいと思います。

Q)イヌとネコを自由に行き来する人はいますか。

A)イヌがネコになる必要もないし、ネコがイヌになる必要もありません。それぞれ違うよねって相互理解がちゃんとできることが大事です。ネコなのにイヌ被っている人は健やかな状態になりにくい。着ぐるみ着て動くのって大変ですよね。パフォーマンスは高くならないので、自分本来の資質をちゃんと生かすことが大事だなっていう意味合いで捉えるといいと思います。ちなみに、「ネコを被っているイヌ」もいそうだよね、と言い出した人がいました。社外の意識高めな勉強会などで「うちの会社はイケてない」みたいなことを言っているわりには会社に戻って自分から何かをしようとするかというと、一切何もしようとしないみたいなタイプの人っているよね、「ネコを被ったこじらせイヌ」だよね、と。

Q)日によって、タイプが変わる日和見タイプは存在しますでしょうか。

A)「イヌの皮をかぶったネコ」「ネコの皮をかぶったイヌ」が、状況や相手に応じてイヌの皮を脱ぐ、みたいなことはあるかなと思います。

Q)組織のネコについて、経営陣にうまく"飼いネコとして"かわいがられないと生きていけない気もしますが、一匹ネコや野良ネコが上手に生きていくにはどうしたらいいのでしょうか。

A)こじらせないことが大事!トラを見つけて、ついていけると最高です。

Q)周りがイヌに囲まれている時のネコはどのように立ち回れば良いですか?

A)イヌの人たちが苦手な仕事を積極的に拾いまくって、「そういうのやってもらえると助かるわー」と言ってもらえるようになるとよいのでは!?

Q)割合は海外でも同じ分布でしょうか?

A)わかりません笑。なにかわかったら教えてほしいです。

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※本基調講演で使用した引用・参考文献は以下の通りです

【トークセッション】VUCAの時代を生き抜く!優秀な人材の定義と育成

第3部では、モデレーターとしてNTTビジネスソリューションズで「キャリアナビゲーションtotoma」の開発を統括する成田佳郎が参画し、自身のHR系サービスの開発や人事部での経験も交えながらトークセッションを行いました。

成田 佳郎(NTTビジネスソリューションズ株式会社 バリューデザイン部 バリューインテグレーション部門 ソーシャルイノベーション担当 担当部長)
関西学院大学卒業後、日本電信電話株式会社に入社。関西エリアの人事育成マネージャーとして、約10,000名の社員に対する階層別育成を推進し、組織の活性化と同時に個人の成長を促進する取り組みを実践。現在はプロダクトマネージャーとしてHR系サービスの開発に取り組む。また、サービス開発分野においても、フレッツ光開発の新規PJ立上げから参画し、VPNサービスラインナップの拡充による企業向け光ネットワークビジネスの発展に貢献した実績を持つ。

キャリアナビゲーションtotoma
https://www.nttbizsol.jp/service/totoma/

視聴者からの質問

セミナーの中で視聴者から寄せられた質問に関して、ゲストよりご回答いただきました。

Q)言語化が一番難しく感じます。コツやポイントはありますでしょうか。

A)
増子)
「単語や形容詞でごまかさない」ということだと思います。例えば「コミュニケーション力」と聞いて何か分かったような気になるけれども、では何をもって「コミュニケーション力がある」というのかを因数分解して定義しましょうということです。例えばtotomaでは「コミュニケーション力」を9つの要素に分解しているのですが、その中には「相手の話を傾聴する」に加えて、「"相手の目を見る""うなずきながら聴く"など、ノンバーバルを含めたコミュニケーションを駆使し、傾聴していることを相手に伝える」が入っています。このように精緻に因数分解して定義してあれば、「コミュニケーション力がある/ない」といったゼロかイチかの話にならずに、「自分は何ができていて、何ができていないのか」が明確に把握できます。多くの企業において「リーダーシップ」や「存在感」のように定義も不明瞭で粒度も粗い能力要件が散見されるので、単語や形容詞に逃げないというのは極めて重要なポイントだと思います。

仲山)
「言語化」と一言で言っても、何を言語化していくのかで変わってくると思います。今回、テーマになっている言語化は、「本質を抽出して言語化をする」ということだと思うので、そのために必要なのは「抽象思考」だと思います。先ほど野球とサッカー、縄文と弥生の話をしましたが、「一見違うものが同じ」だと気づいたり、「サッカーとVUCAの時代の働き方って似ているよね」のように、「その2つに通じるところがあるとすれば?」という問いに答えていくと、本質の言語化ができるようになっていくと思います。

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NTT-BSのスキル可視化サービス「キャリアナビゲーションtotoma」

ハイパフォーマーに共通するのは優れた思考・行動様式。それらの要素を言語化すれば、優秀な人材育成に役立つ。

人材の育成において、人材にどんな要件を求めるための「言語化」と「ギャップの明確化」は必要不可欠な要素です。「スキルにフォーカスした人材管理のためのHRプラットフォームサービスであるキャリアナビゲーションtotoma」は、市場で求められる職種別スキルを詳細まで言語化した「ジョブディスクリプション」を活用し、ポジション別のスキル要件と社員一人ひとりの現状スキルを可視化して一貫した人材育成へと繋げます。

関連リンク:https://www.nttbizsol.jp/service/totoma/

まとめ

左より、成田氏、増子氏、仲山氏、MC工藤(NTT-BS)
※登壇者の役職はセミナー実施日当時のものになります。

今回のレポートでは、12月12日(火)に開催されたオンラインセミナー「VUCAの時代を生き抜く!優秀な人材の定義と育成」の内容をダイジェストでご紹介しました。NTTビジネスソリューションズでは、こうしたセミナーを定期的に開催し、ICTを用いた経営課題の解決に役立つ情報発信をおこなっております。ぜひ、今後のセミナー情報もチェックしてみてください。

関連リンク:https://www.nttbizsol.jp/event/

関連リンク

キャリアナビゲーションtotoma
https://www.nttbizsol.jp/service/totoma/

キャリアナビゲーションtotomaに関するお問い合わせ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/totoma

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