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生産性向上

”ICT活用”による教育現場の負担をどう軽減する?

教育現場の困った!に応える「教育ICT支援ソリューション」トラブル解決から活用のアドバイスまで一元的にサポート

日本教育新聞 2022年2月28日掲載

端末を活用した授業の様子(津山市の小学校)

GIGAスクール構想で整備された1人1台端末を授業でより利活用するには、煩雑化する運用管理の手間を教員から解放し、円滑で効果的なICT活用を支える体制づくりが必要だ。そこで、いつでも教員が直接相談できる学校現場専用のヘルプデスクを設け、トラブルの解決からICT活用のアドバイスまでを徹底サポートする、NTTビジネスソリューションズの「教育ICT支援ソリューション」の魅力を紹介する。

質の高い教育に向けた"共創"をコンセプトに

1人1台端末と高速大容量ネットワークを基盤としたクラウド活用により、誰一人取り残すことのない個別最適化学習の提供や、主体的・対話的で深い学びを実現することをめざすGIGAスクール構想。その意味からも、整備後から約1年を経過した学校教育の焦点となるのは、まさに「ICTを活用した教育活動がどれだけ進むか」であるといっても過言ではない。

だが、扱う機器やアプリケーションが増えることで、端末や回線のトラブル対処、操作・活用の習熟など、教員の負担はより一層大きくなっている。それを踏まえ、文部科学省も今後の利活用の推進に向けてICT支援員の導入を促す他、民間事業者を活用した学校への支援をワンストップで担う「GIGAスクール運営支援センター」を各自治体に整備する計画を打ち出している。

こうした声にいち早く答えているのが、NTT西日本グループの教育現場における実績・ノウハウときめ細かなサービス体制を基盤に、円滑で効果的なICT活用をトータルでサポートする「教育ICT支援ソリューション」だ。

本ソリューションは、「ICTの専門家」である同社と、「教育の専門家」である教育委員会や教員とそれぞれの役割を分担することで、ICTを活用した質の高い教育を負担なく実践できる環境を"共創"し続けることをめざしている。

学校現場専用のヘルプデスクで教員が授業に専念できる環境を教育現場に特化した体制でスピーディーに問題解決

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具体的なサービスメニューは、

  • 「ヘルプデスク」=ICT機器やアプリケーションの操作方法を支援する
  • 「故障受付」=問診による故障箇所の調査・切り分けや保守業者への連絡
  • 「運用代行サポート」=MDM(管理コンソール)を活用した1人1台端末の設定変更作業

―の3つを用意し、教員が授業に専念できる環境に向けてサポートに乗り出している。

最大の特徴は、学校現場専用に組織化された「教育ICT支援センター」にて、これらに関連したさまざまな問い合わせを一元的に対応できるようにしたことだ。これにより、学校は困ったときにすぐに相談できる窓口ができ、ICTを活用した学びを止めることなく授業に向き合うことができる。教育委員会も学校からの問い合わせの負担を減らすことで、本来の業務に集中できるメリットがある。

しかも、ICT支援員資格保有者をはじめ、教育ICTに精通、学校現場の実情を理解しているオペレーターが対応。汎用的な教育ICTのノウハウはもちろん、個々の学校の環境等の情報(導入機器、導入アプリ等)もナレッジとして管理することで、迅速かつ的確なサポートを提供する。

また、教育委員会・学校現場ごとのニーズに合わせて各メニューを選択したり、組み合わせたりといった提供ができることから、それぞれのICT活用の進捗に沿ったサポートが受けられる配慮もされている。

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学校現場専用ヘルプデスクでの利用イメージ

学校の実情に合わせたきめ細やかな対応

1人1台端末が整備されたことによるICT活用の大きな変化は、クラウド上で児童生徒とつながり、それを学びに活かすことにある。したがって教員はクラウド型アプリ等の操作に慣れ、授業をデザインしていくことが最初の障壁になる。

こうした状況からも、導入した学校から他社にない強みとして高い評価を受けているのが、メーカーを問わず、機器・アプリ等も含めて操作支援から不具合事象対応が可能なことだ。たとえば、GIGAスクール構想で初めて導入した学校が多いChromebookや電子黒板、学習支援アプリとして教員に人気が高い「ロイロノート」や「CHIeru」などにも対応している。

加えて、教員にとって頼りになるヘルプデスクの受付時間も平日8時~19時、土曜も9時~13時までと長めに設定し、学校現場の実情に合わせた対応ができるよう配慮している。実際、学校からは昼間の授業準備の時間はもとより、放課後から夜にかけて問い合わせが来ることが多いという。

事例紹介~津山市教育委員会~

迅速な問題解決が図られ、導入効果を実感

次に、実際に「教育ICT支援ソリューション」を導入した教育委員会の声を紹介する。岡山県・津山市教育委員会では、昨年2月中に小中学校の児童生徒約8000人の1人1台端末の配備を完了した。当初よりICT機器全般の使い方やトラブル、活用方法などの問い合わせが数多くの学校から寄せられていたため、急速に整備されたICT環境を教員が実際に活用できるかといった懸念があった。しかし、教育委員会だけで全35校をフォローするのは現実的には難しいため、ICT運用保守にスキルのある企業の支援を受けることにしたという。

同市が求めていた仕様は学校ICT機器全般のトラブルシューティング対応と、端末の活用に向けて学校を定期的に巡回するという2つの業務を前提にしていた。NTTビジネスソリューションズの提案は、これに加えてヘルプデスクを通じてワンストップで問題を受けつけ、現場に向かうことなく問題を解決できる点が魅力だったと振り返る。

その上で、教育現場に特化した体制で安心して任せることができるとともに、学校の実情を理解したオペレーターに対応してもらえるので、迅速な問題解決が図られていると評価。1人1台端末が整備されたことに不安を抱える教員の方も多い中で、導入段階でつまずくことは今後の利活用への意欲を削いでしまいかねない。本ソリューションを導入したことで、そのような不安が解消され、また効果的な利活用方法の横展開も推進されていることを実感している。

"学校現場へ寄り添った支援"と"利活用状況を把握する月次報告"

現場の要望によっては、NTTグループとして各エリアにある協力会社等と連携し、「巡回型現地サポート」や「ICT活用研修」にも個別で対応している。ICT支援員による巡回では、現地対応が必要な問題を解決する、授業で端末を活用する際に立会ってサポートする、職員室で質問に対応するなどが一例になる。研修では、端末やアプリの活用するための実環境を使った講習などが挙げられる。

すなわち、技術的なスキルの提供だけでなく、こうした学校現場に寄り添ったノウハウ&支援体制を兼ね備えていることが、200校を超える大規模自治体から、離島・山間部の小規模自治体(数校)まで、約1000校の豊富な実績につながっているのだ。

一方、教育委員会の役割としては、各学校の悩みや不安といった課題、利活用状況を把握し、適切な改善や対策を講じていくことが重要になる。そのため実施しているのが、「月次報告」だ。ここでは入電件数、申告内容の割合、応対履歴など、各学校からどのような問い合わせが入っているかをまとめて提供しているほか、状況報告をもとに今後の展開に向けた提案も行っている。

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「月次報告」の状況から今後の展開を提案することも

基本的な使い方から故障受付、アカウントの管理までトータルでサポート

では、導入した学校からは、どんな問い合わせが来ているのか。NTTビジネスソリューションズによれば、導入直後はWiFiへの接続方法、アプリの起動方法といった端末操作に関すること、児童生徒へのクラウドを使った課題配信といったアプリの基本的な使い方などの相談が多かったとのこと。また、コロナ禍の学びの保障として始まったオンライン授業では、WEB会議や学習ソフトの使い方に関することがやはり多かったという。

「故障受付」では、端末に電源が入らないから始まり、インターネットにつながらない、一部の教室で通信が遅延するといったトラブルが多かったほか、家庭への端末の持ち帰りによる破損も若干あったとのことだ。また、「運用代行サポート」も、これまでは転入などによる新たなアカウントを作成するケースが主だったが、今後は新たなアプリの導入などにより、アカウント管理や作成がより一層煩雑になり、教員の負担が増えると考えられるため、ニーズは増加すると予想している。

地域社会の課題解決に向けて

NTTビジネスソリューションズは、今後1人1台端末の活用が進めば「授業でこんなことをやりたいが、どうやったらできるのか」といった問い合わせに対し、「このアプリでこのような活用をしたらどうですか」と受け答えできるようなサポートが必要になってくると考えている。

だからこそ、導入した教育委員会・学校の声を反映し、充実したサポートを提供することはもちろん、将来的にはICTを生かした授業コンテンツの設計や効果的な授業方法のコンサルティングなど、新教育課程における「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けたサービスも提供していくことを視野に入れている。

こうした意図には、NTT西日本グループが注力する10分野において、ICTソリューションによって地域の社会・産業の抱える課題を解決する「Smart10x」というビジョンを掲げていることが大きい。教育分野でいえば、これまでの教育機関向けに、学びと社会を一体化し、学習者中心による「誰でもいつでもどこでも」学べる世界の実現をめざしているからだ。

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10分野のスマート化をめざす「Smart10x」

利活用のカギを握る教員へのサポート体制

次年度から、全国の小中学校では1人1台端末の活用を試行錯誤する段階から、各教科の授業での効果的な活用へとステップアップすることが求められるようになる。そんな、これまで何度も頓挫してきたICT教育の日常化を実現するためには、何かあったときに助けてくれる、授業で活用する実践力を高めてくれる、教員へのサポート体制の強化がカギを握っている。

関連リンク

日本教育新聞
https://www.kyoiku-press.com/post-241088/

教育ICT支援ソリューション
https://www.nttbizsol.jp/service/education-ict/

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