このページの本文へ移動

Bizナレッジ

ICTで経営課題の解決に役立つコラムを掲載

快適なオフィスの実現

導入事例多数!ローカル5Gに関するウェビナーレポート(2023年6月21日開催)

NTTビジネスソリューションズは、6月21日に「導入事例多数!ローカル5Gに関するウェビナー」を開催しました。その内容をご紹介します。

キャリア5Gとローカル5Gの違いについて

キャリア5GとはNTTドコモ、ソフトバンク、KDDI、楽天モバイルなどの全国通信キャリアが展開している、全国の提供エリア範囲であればどこでも5G環境を利用できるサービスです。
一方でローカル5Gは、企業さまや自治体さまが独自に導入する免許制のもので、土地の所有者が専用的に使える5Gシステムです。

5Gの特徴は、

  • 高速大容量(eMBB)
  • 多数同時接続(mMTC)
  • 超高信頼・低遅延(URLLC)

が挙げられ、次世代通信が増えてきた中、様々なIoT規格に対応できるようになっています。

さらにローカル5Gはプライベートネットワークとして、

  • お客さまの使用したい場所に構築できる
  • 5Gの特長をお客さまの用途に応じてカスタマイズできる
  • 自営ネットワークのため他社のトラフィック流量に依存しない
  • SIM通信によるセキュリティーの担保と免許が必要な周波数帯の利用による干渉の抑制

という特長があります。

ローカル5G導入の流れと現在の位置付け

一般的にローカル5Gを導入するにあたっては、以下のプロセスが必要となります。

1) エリア設計...お客さま敷地のどの場所にアンテナを設置すれば最適かを設計します。
2) ネットワーク設計...お客さまのネットワークに接続する際、どのIPアドレスを使用するかを決定します。
3) 免許申請...各地方の総合通信局へローカル5Gの電波利用の許諾を行います。
4) 構築...アンテナからコアネットワーク(ローカル5Gシステムの基幹機能として用いる大容量の通信回線)やサーバーや制御用ソフトウェア等を繋ぐ構成をつくります。
5) 運用・保守...日々運用しながら5G電波が正常に吹けているか、装置の不具合がないか、端末の管理などを行います。

上記の通り、ローカル5Gの導入には設計に専門的な知見が求められ、コストも高額であり、免許申請という手続きも必要であり、実際に活用した先行事例も少なく、"5G"というワードが先行しているような状況が続いておりました。

2020年度から利用の制度化が開始されたローカル5Gは、当初、NTT西日本やベンダーなど各業界の先駆者が国の補助金を得ながら実証実験を行なった「トライアル期」を経て、2023年度においては少しずつ導入コストが下がり、様々な企業や自治体が自らの資金で導入を開始する「普及期」に突入しております。
2024年度以降は、これまでの実証の知見を活かしながら、他分野でローカル5Gが活用されていく「多用途展開期」が進むと予測しています。

5GとWi-Fiとの選択

ウェビナー内で参加の皆さまへ、社内のWi-Fi環境に関する悩み事に関するアンケートを行なった結果、「セキュリティー面」よりも「接続が不安定」または「速度が遅い」という点に課題を感じておられる方々が多くいらっしゃいました。

Biz_column_local5G_img01_tokucyo.jpg

一般的に利用され、免許不要、低価格で設置もしやすいWi-Fiは手軽にネットワークを構築できますが、アクセスポイント1台のカバーエリアが狭く、機器や端末を多数使用することによる電波干渉のリスクや速度の不安定さがネックとなる無線通信と言えます。
一方、パブリック5GはSIM契約だけで簡単に利用できる通信手段で、出張や移動中という状況でも利用ができます。しかし、同一の基地局エリア内の他のお客さまと通信帯域を共用して利用するため、エリア内で利用している他のお客さまが多い場合、通信品質が安定しないこともございます。
対して、ローカル5Gは両者の中間的な位置付けで、Wi-Fiと比較して1台のアンテナで広範囲に電波をカバーできる点と、パブリック5Gと比較してプライベートネットワークとして利用できるため、安定した高速大容量通信を実現することができ、お客さまのユースケースに応じてUL /DLの比率をカスタマイズすることも可能です。

これらの通信を導入の際には、ローカル5Gにつながる端末を適材適所で使うことで、もともとあるWi-Fiを安定して運用することが可能になります。どちらか一方に決めるのではなく、最適な形での移行が必要な時代になってきていることを解説しました。

より身近となったローカル5Gサービス

NTTビジネスソリューションズが提供するローカル5Gサービスの主な特長として、

  • 全国キャリアが利用しているアンテナ装置を使い、本格的な5Gサービスを実現。
  • エリアの設計から事前手続き、運用までをトータルITOとワンパッケージで提供、全てお任せOK。
  • 屋内・外などお客さまの環境に合わせた多様なアンテナのラインナップを展開。
  • 従来価格の約1/5(最小構成の場合、5年間の利用で約2200万円、月額費用35万円〜)で導入可能。
  • お客さまの予算に合わせてお選びいただける2プランを準備(サブスクリプション/イニシャル中心のプラン)、定額で5Gデータ通信が使い放題
  • お客さまの用途に合わせたネットワークを設計

の6つがございます。
さらに、手続きから設計・構築・運用まで、ローカル5Gに必要な「モノ」「作業」をワンパッケージ化し、屋内パターン、屋外パターンについても柔軟に対応させていただいております。

Biz_column_local5G_img02_gaiyo.jpg

各業種の取り組み事例

ここでは、今までNTT西日本グループ側で取り組んできたお客さまの声やユースケースをご紹介しました。

1) ローカル5Gの適応領域についてのお客さまの声とローカル5G導入により期待できる課題解決

Biz_column_local5G_img03_tekiyoryouiki.jpg お客さまの声1:有線のため、フレキシブルな構築ができない/再配線部分が邪魔になりコスト大
対策:ローカル5G導入による無線化で、工場機械のレイアウト変更が容易になる(ケーブルカット)。

お客さまの声2:Wi-Fiのアクセスポイントの通信が不安定になる/無線切り替わり時に通信が切れる
対策:ローカル5G導入により、安心して干渉が少ない無線を利用できる(通信安定性)/シームレスでパケットロスのない通信が継続できる(ハンドオーバー)。

お客さまの声3:Wi-FiのSSIDとパスワード認証では第三者に情報を見られると接続されてしまう
対策:ローカル5GはSIM認証のため高セキュリティーの担保を実現

お客さまの声4:フレームレートの多い画像を送受信したい/4K映像をアップロードしたい
対策:ローカル5G導入により、高解像度画像の送受信やIoTデータが無理なく収集できる(大容量データ・アップロード)

お客さまの声5:設備が老朽化しているため、配線ができない
対策:ローカル5G導入により、屋外アンテナからFWAを使って各戸にインターネット環境を提供できる(無線ブロードバンド)

お客さまの声6:高所でのクレーン操作業務における安全確保が難しい
対策:ローカル5G導入により、遠隔でコントロール信号を流しながら、現地の映像情報をリアルタイムで確認し、作業者さまの安全性を高める(遠隔コントロール)

2) ユースケース
次に、製造業をはじめとするユースケースで、工場での検品に従事する労働者さまの負担の軽減や、品質保持、作業技術の継承問題などに対するローカル5Gを導入した新たな解決策をご説明しました。

Biz_column_local5G_img04_case.jpg

  • AI検品
    画像をAIで判別することにより、高クオリティーの検品を実現します。
  • 動態検知
    AIと映像伝送により、作業者が安全に作業を行えているか、または作業者の業務遅延のボトルネックをチェックすることが可能になります。
  • AGV制御
    複数台のAGVやAMRをひとつの拠点で運用する場合、それぞれの位置情報を通信にて管理する必要があります。制御信号についてはシームレスな通信が求められるため、ローカル5Gの導入が効果的です。
  • 遠隔作業支援
    労働者、熟練者不足により、初心者への指導が難しい状況が全国的に見られる中、熟練者がリモートでスマートグラスをかけた初心者の作業支援することができます。
  • 屋外エリアへの導入
    夢洲コンテナターミナルさまのユースケースでは、コンテナが積み上がっている1300m×500mの広大な敷地のネットワーク構築において、有線の場合は掘削が必要となるため高額となり、またWi-Fiを活用する場合は多数のアクセスポイントが必要となり、キャリアの電波も多数の不感地帯が存在するという環境面の課題がございました。
    敷地内全体を網羅し大量の端末を利用できる通信環境を実現するため、ローカル5Gの基地局を11箇所つくり構築を行うことで、全体エリアカバー安定的供給を行うことができました。

まとめ

最後に、制度化当初はかなり高額だったローカル5Gは2023年においては導入費用の低廉化が進んでおり、活用のユースケースも広がりつつあります。
社内インフラにおいてはお客さまの課題感を最適な形に整備することが理想であることをお伝えし、セミナーを締めくくりました。
NTTビジネスソリューションズでは、お客さまの課題感、ユースケースに合わせてコンサルティングを行い、適切なローカル5Gをご提案させていただきます。

ウェビナー参加者の声

N社さま
「説明資料が解りやすく、ローカル5Gの活用状況や現状把握に役立ちました。引続きDX対応は必要と考えておりますので一手段として活用を検討しようと思います。」

T社さま
「価格が大きな壁となっていたローカル5Gに関して、かなりの低廉化が進んでいたことに驚きと共に、今後の普及について期待が膨らみました。ご説明ありがとうございました。」

担当者の声

今回のウェビナーで最も伝えたかったローカル5Gの価格低廉化については、参加者アンケートからも驚きや今後の普及への期待の声を多くいただき、担当者としても大変嬉しい限りです。8月の追加開催含め延べ200名以上の方にご参加いただけたことで改めて「ローカル5G」の注目度の高さを再認識しました。
一方で、まだまだ導入に踏み切るには高額だという感覚をお持ちのお客さまが多いことも事実として受け止めております。
まずは顕在化している通信環境の課題(干渉、帯域不足、有線や機器管理の煩わしさ)を解決し、その先に業務DXに着手していきたいというロードマップを持たれているお客さまは非常に多く、まさにローカル5Gの活用により実現できる世界とマッチしているかと思います。
今後もNTTビジネスソリューションズは企業さまの業務DXにローカル5Gの導入で貢献していきます。ぜひご相談をお待ちしております。

関連リンク

ローカル5Gソリューション
https://www.nttbizsol.jp/service/local5g/

ローカル5Gソリューションに関するお問い合わせ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/local5g

あわせて読みたいナレッジ

関連製品

サービス内容やご不明な点など、お気軽にご相談ください。