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食品リサイクル事例|【業種別】コスト削減とSDGsの取り組みとは?

「来月から産廃処理費を値上げします」という廃棄事業者からの突然の通知。さらに追い打ちをかけるように、社長からは「SDGsレポートの目玉になる事例を作れ」との指示。このように、コスト増と設備投資の板挟みに立たされている、総務・環境担当者は少なくありません。
しかし、正しい分別設計とリスクを考慮した方法を選ぶことで、廃棄物コストを削減しながら、コンプライアンス上のリスクを大幅に低減することができるでしょう。当社のソリューションを用いた事例では、廃棄物コストの20%削減を実現したケースもあります。本記事では、食品廃棄物のリサイクル手法について、具体的な事例を交えてくわしく解説します。
なぜいま、「食品リサイクル」に取り組むべきなのか?

まず考えるべきは、焼却処分費の上昇です。人件費や燃料費の高騰、さらには最終処分場の逼迫等により、可燃ごみの廃棄単価は年々上昇傾向にあります。単純な焼却処分に依存する限り、コストは下がらないという構造上の問題に直面しています。
一方、食品廃棄物は適切に分別すれば「資源」に変わります。とくに飼料化や堆肥化等の「食品リサイクル」は、条件が合えば有価取引や処理費を大幅に削減できる可能性があります。配合飼料の価格が高騰するなかで、安定した原料確保のニーズは高まっています。近年では、化学肥料も高騰しており、飼料化や堆肥化といった手段は効果的だと言えるでしょう。
「コスト削減」と「リスク回避」を同時に達成する経営課題として
また、廃棄時に安さだけで委託先を選ぶのはきわめて危険です。過去には、廃棄食品が横流しされた事件が発生しました。この事件が示したのは、排出事業者責任の重さです。食品廃棄物の処理は、委託して終わりではありません。不適正処理が起きれば、社会的信用を失うのは排出元企業なのです。
だからこそいま、単なるSDGs対応ではなく、「コスト削減」と「リスク回避」を同時に実現する経営課題として、食品廃棄物のリサイクルに本気で取り組むべきなのです。
【比較】自社に合うのはどれ? リサイクル手法の選び方とコスト感

食品リサイクルは、食品リサイクル法の優先順位に基づき、「飼料化>堆肥化(肥料化)>エネルギー利用(メタン発酵等)」という順で推奨されています。
優先順位にしたがって、各手法の特徴・条件・コスト感等詳細を見ていきましょう。重要なのは、「理想」ではなく「自社の排出実態」に合わせることです。排出量・含水率・異物率・立地条件の4点を整理すれば、選択肢は自ずと絞り込めます。
(1)飼料化|もっとも優先度が高く、もっともハードルも高い
飼料化は、食品工場における食品残渣(生ごみ)や売れ残り等の処理に向いていますが、異物混入率がきわめて低い環境である必要があります。条件が合えば処理費を大幅に削減でき、コストメリットは大きいですが、不適合時は返却リスクがあります。
飼料化は資源循環効率が高いため、制度上は最優先とされています。しかし実際には、「受入基準の厳しさ」が最大の障壁です。分別された単一素材で、異物混入がほとんどゼロに近く、なおかつ鮮度が高く腐敗進行なしでなければなりません。
(2)堆肥化(肥料化)|もっとも汎用性が高い現実解
堆肥化は一般的な選択肢で、食品工場における食品残渣のみならず、外食店舗や給食施設等多品目排出事業者にも向いています。焼却より安価になるケースが多くCO2の排出を抑えることができますが、単価は地域差が大きい点に注意が必要です。
受入基準は飼料化より緩やかですが、堆肥化するので異物混入はNGです。堆肥化は、選択されることの多い手法として知られています。
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(3)メタン発酵(バイオガス化)|安定受入型のエネルギー回収モデル
メタン発酵は、食品残渣を嫌気性発酵させてバイオガスを生成する手法です。エネルギー転換を目的とした利用であるため、制度上は飼料・堆肥より優先順位は下がりますが、実務上は「安定性」が強みです。
大量排出拠点に向いており、異物や油分が含まれていても対応でき、高カロリーな食品残渣が得意ですが、メタン発酵の処理コストは比較的高めであり、別途廃液処理が必要になります。また、受入施設が限られていて立地依存性が高く、基本的には長期契約が前提となるため、少量排出拠点には向きません。
(4)減量(乾燥・脱水)|"輸送費対策"としての現実的オプション
減量は、回収拠点から遠距離である場合や、小規模事業者に向いています。減量はリサイクルそのものではありませんが、実務上は有効な戦略です。食品廃棄物は含水率70~80%なので、乾燥・脱水により約10%近くまで重量を大幅に削減できるケースもあります。
運搬費・輸送費削減に効果的で、処理費が「重量単価」で決まる場合は大幅なコスト削減が可能です。ただし、設備の初期投資や、蒸発や運転のためのエネルギーコスト、保守費用が必要な点に注意が必要です。
業種別の成功事例|「コスト」と「運用」のリアル
食品リサイクルで堆肥化を行うことで、食品廃棄物の処理コストの削減につながります。NTTビジネスソリューションズの「地域食品資源循環ソリューション」は、食品残渣を堆肥化することで、コストやCO2排出量の削減をめざすことが可能です。食品廃棄物のリサイクル成功事例について、規模・業種別にご紹介します。食品リサイクル検討時の参考にしてみてください。
食品加工|株式会社コープ食材様&美らファーム広見様
株式会社コープ食材様と美らファーム広見様では、ミールキット製造で発生する食品残渣を資源として再利用する循環型モデルを構築しました。当初の処理方法では年間1,000万円以上ものコストがかかっていましたが、「地域食品資源循環ソリューション」のフォースターズ(食品残渣発酵分解装置)を利用して一次発酵物をリサイクルセンターにて堆肥化する運用体制を導入することで、大幅なコストダウンに成功しました。「食品残渣→堆肥→野菜生産→食品」という地域循環の仕組みを形成し、食品製造と農業を結びつけることで、環境負荷低減と持続可能な農業の両立が可能となっています。
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青果卸|大田市場様
東京都中央卸売市場大田市場様では、荷受・仲卸の段階で廃棄される青果の多さに課題を抱えていました。店舗内バックヤードにフォースターズ(食品残渣発酵分解装置)を設置することで、食品残渣の処理コストと環境負荷の低減の両立に成功。さらに、パートやアルバイト社員でも簡単に操作できるため運用効率も高く、従業員のリサイクル意識が高まりました。リサイクルした堆肥で作った野菜を市場で販売するという、循環型社会の構築にもつながっています。
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その他の事例
https://www.huffingtonpost.jp/entry/nttwest-05_jp_674ad826e4b02079326ac095
「ゴミ」を「資源」に変え、会社を守るプロフェッショナルへ

食品廃棄物のリサイクルはコスト削減とリスク管理の統合戦略です。最初は分別の手間が煩わしく感じることもあるかもしれませんが、数字で成果を示せば評価は変わります。コストとリスクを上手に管理するために、食品廃棄物の堆肥化を検討してみてください。
NTTビジネスソリューションズでは、食品残渣を活用して安心な野菜を作るための、「地域食品資源循環ソリューション」を展開しています。さらに、食品工場向けに、汚泥を削減してその処理コストを削減できる「酵活ブースター」や、汚泥を乾燥させて肥料化することでコストを下げる「汚泥肥料化パッケージ」も提供しております。この機会にぜひ、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
「地域食品資源循環ソリューション」についてよくある質問をまとめました。導入検討時の参考にしてみてください。
Q1:小規模な飲食店・事業所でも、地域食品資源循環ソリューションは導入できますか?
当ソリューションでご提供している装置のうち、最小モデルは日量200kgの食品残渣を処理できるタイプとなります。
Q2:地域食品資源循環ソリューションでは、リサイクル後の"出口(農家・飼料利用先)"まで確保されていますか?
食品残渣から生成された堆肥は、地域の契約農家さまへ提供しておりますので、安心してご利用いただけます。
Q3:コスト削減効果は、どの程度まで具体的に試算してもらえますか?
現行の廃棄コストと、当社サービス利用料に光熱費を加えた試算結果を比較し、コスト削減効果を算出します。ただし、ヒアリングに基づく試算のため、あくまでも参考価格となります。
Q4:地域食品資源循環ソリューションは、食品リサイクル法への対応にも役立ちますか?
食品リサイクル法への対応を進めたい事業者にとって、地域食品資源循環ソリューションは有効な手段のひとつです。地域食品資源循環ソリューションでは、食品残渣を焼却処理するのではなく、堆肥化によって資源として再利用する仕組みを構築するため、リサイクル率向上に寄与します。
Q5:一次発酵物の回収や運用体制はどうなりますか?
一般的には、事業所で発生した食品残渣を装置に投入して一次発酵させたあと定期的に回収され、地域のリサイクル施設で堆肥化されます。
また、装置の運用自体はシンプルで、基本的には食品残渣を投入する日常作業が中心となるため、特別な専門人員を配置する必要はありません。運用方法や管理のポイントについては、導入時にレクチャーが受けられます。
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