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上司の方が"パワハラに敏感" 世代で逆転するハラスメント認識の実態 〜管理職60%が「業務時間外の返信要求はパワハラ」と回答、20代を上回る結果に〜

NTTビジネスソリューションズ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:木上 秀則、以下「NTTビジネスソリューションズ」)は、生成AIを活用したDE&I推進支援ツール「karafuru AI(カラフルAI)」を通じて、日常のコミュニケーションに潜む無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を可視化し、個人の意識改革・組織の風土変革につなげる取り組みを支援しています。

- 01|大企業の中間管理職の半数以上がパワハラ懸念から必要な指導を躊躇する一方、20代社員の約3割は上司の過度な萎縮を実感
- 02|「同期と比較した指摘」に対し、管理職の64.0%がパワハラと認識も、20代社員は44.0%に留まり、20ポイントの認識差
- 03|ハラスメント情報源として、管理職は「会社研修」(41.0%)が最多も、20代は「SNS」(30.0%)が主流で情報更新経路に世代差
調査概要
- 調査名称:ハラスメントの境界線に関する世代間比較調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年10月14日〜同年10月14日
- 有効回答:中間管理職:大企業(従業員数1,000名以上)勤務する中間管理職100名
20代社員:大企業(従業員数1,000名以上)に勤務する20代の一般社員100名
- ※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
≪利用条件≫
- 情報の出典元として「NTTビジネスソリューションズ株式会社」の名前を明記してください。
- ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://www.nttbizsol.jp/service/karafuru-ai/
管理職の51.0%が、パワハラを懸念して必要な指導を躊躇、20代社員も28.0%が、上司や先輩がパワーハラスメントを恐れて、必要な指導を躊躇していると実感
中間管理職(n=100)に、「Q1.これまで、パワーハラスメントと受け取られることを懸念して、部下への必要な指導を躊躇したことはありますか。」と質問したところ「ある」が51.0%、20代社員(n=100)に、「Q1.これまで、上司や先輩がパワーハラスメントを恐れて、あなたへの必要な指導を躊躇していると感じたことはありますか。」と質問したところ、「ある」が28.0%という回答となりました。


約7割の中間管理職が、職場で部下に対して「必要な指導であれば厳しくても率直に指摘すべき」と回答、20代社員は4割以上が実感
中間管理職(n=100)に、「Q2.職場で部下に対して、必要な指導であれば厳しくても率直に指摘すべきだと思いますか。」と質問したところ「そう思う」が68.0%、20代社員(n=100)に、「Q2.職場で上司や先輩から、適切な指導であれば厳しくても指摘してもらいたいと思いますか。」と質問したところ、「そう思う」が41.0%という回答となりました。


中間管理職の27.0%が、過去1年間で、部下から自身の言動がパワハラに該当すると指摘された経験あり
中間管理職(n=100)に、「Q3.過去1年間で、部下から自身の言動がパワーハラスメントに該当すると指摘されたり、そのように受け取られたと感じた経験はありますか。」と質問したところ「ある」が27.0%、20代社員(n=100)に、「Q3.過去1年間で、上司や先輩からパワーハラスメントに該当すると感じた言動を受けた経験はありますか。」と質問したところ、「ある」が20.0%という回答となりました。


「同期と比較した指摘」をパワハラと認識する割合は、中間管理職64.0%に対し、20代社員は44.0%と20ポイントの差
中間管理職(n=100)に、「Q4.「指導スタイル」に関して、以下の言動について、部下への指導として適切だと思うか教えてください。(マトリクス形式)」、20代社員(n=100)に、「Q4.「指導スタイル」に関して、以下の言動について、あなたがどのように感じるか教えてください。(マトリクス形式)」と質問したところ、「同期の〇〇はできているのに」など他人の進捗を基準にした指摘をする・される」項目において、「パワハラに該当すると思う」と回答したのは、中間管理職が64.0%、20代社員が44.0%という結果となりました。


「業務時間外の返信要求」は中間管理職60.0%、20代社員43.0%がパワハラと認識し、管理職の方が厳しく判断する傾向
中間管理職(n=100)に、「Q5.「働き方・時間評価」に関して、以下の言動について、部下への指導として適切だと思うか教えてください。(マトリクス形式)」、20代社員(n=100)に、「Q5.「働き方・時間評価」に関して、以下の言動について、あなたがどのように感じるか教えてください。(マトリクス形式)」と質問したところ、「業務時間外に返信を求める・求められる」項目において、「パワハラに該当すると思う」と回答したのは、中間管理職が60.0%、20代社員が43.0%という結果となりました。


「飲み会・イベント」の不参加理由の深掘りは、両者共に「パワハラに該当すると思う」が最多
中間管理職(n=100)に、「Q6.「飲み会・イベント」に関して、以下の言動について、部下への働きかけとして適切だと思うか教えてください。(マトリクス形式)」、20代社員(n=100)に、「Q6.「飲み会・イベント」に関して、以下の言動について、あなたがどのように感じるか教えてください。(マトリクス形式)」と質問したところ、「参加をしない/できない理由を深掘りする・される」項目において、「パワハラに該当すると思う」と回答したのは、中間管理職が55.0%、20代社員が44.0%という結果となりました。


「性別を理由に雑務を頼む」行為も、中間管理職69.0%、20代社員50.0%と19ポイントの開き
中間管理職(n=100)に、「Q7.「日常のコミュニケーション」に関して、以下の言動について、部下とのコミュニケーションとして適切だと思うか教えてください。(マトリクス形式)」、20代社員(n=100)に、「Q7.「日常のコミュニケーション」に関して、以下の言動について、あなたがどのように感じるか教えてください。(マトリクス形式)」と質問したところ、「性別を理由に気軽に雑務を頼む・頼まれる」項目において、「パワハラに該当すると思う」と回答したのは、中間管理職が69.0%、20代社員が50.0%という結果となりました。


中間管理職の72.0%が、「ハラスメントとされる行為」の基準が変わってきていると実感、20代社員より23ポイント増
「Q8.ここ3年ほどで「ハラスメントとされる行為」の基準が変わってきていると感じていますか。」と質問したところ、中間管理職(n=100)は、「感じる」が72.0%、20代社員(n=100)は、「感じる」が49.0%という回答となりました。

ハラスメント情報源について、中間管理職が「会社の研修・教育プログラム」(41.0%)を最も活用する一方、20代社員は「SNS」(30.0%)が主流
「Q9.ハラスメントに関する知識や判断基準をアップデートする主な情報源を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、中間管理職(n=100)は、「会社の研修・教育プログラム」が41.0%で最多、20代社員(n=100)は、「SNS(X、Instagram、TikTokなど)」が30.0%で最多の結果になりました。

「他社の友人」「会社の人間が処分されたとき」などからハラスメント知識をアップデートしている声も
Q9で「特に情報源はない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、ハラスメントに関する知識や判断基準をアップデートする主な情報源があれば自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、中間管理職(n=79)は、「他社の友人」や「実際にあった事案」、20代社員(n=56)は、「会社の人間が処分されたとき」や「周りの人との会話の中での経験談」などの回答を得ることができました。
<中間管理職(n=79)>
- 法務部門のレクチャー。
- 部下の態度や行動で判断。
- 実際にパワハラを受けた人から、相談されたり、会社のパワハラ、セクハラの講習会を受けたことがある。
- 社内での情報共有。
- 他社の友人。
- 実際にあった事案。
<20代社員(n=56)>
- 心の痛み。
- 労働組合での研修。
- 講演会。
- 会社の人間が処分されたとき。
- 周りの人との会話の中での経験談。
まとめ
今回は、大企業(従業員数1,000名以上)勤務する中間管理職100名及び、大企業(従業員数1,000名以上)に勤務する20代の一般社員100名を対象に、ハラスメントの境界線に関する世代間比較調査を実施しました。
まず、中間管理職の半数以上がパワーハラスメントを懸念して必要な指導を躊躇する一方、20代社員の約3割は上司が過度に萎縮していると感じており、72.0%の中間管理職がハラスメント基準の変化を実感していることが明らかになりました。具体的な指導場面では、世代間で顕著な認識差が浮き彫りになりました。「同期と比較した指摘」をパワハラと認識する割合は、中間管理職64.0%に対し20代社員は44.0%と20ポイントの差があり、「性別を理由に雑務を頼む」行為も中間管理職69.0%、20代社員50.0%と19ポイントの開きがあります。一方で「業務時間外の返信要求」は中間管理職60.0%、20代社員43.0%がパワハラと認識し、中間管理職の方が厳しく判断する傾向も見られました。また、ハラスメント情報源については、中間管理職が「会社の研修・教育プログラム」(41.0%)を最も活用する一方、20代社員は「SNS」(30.0%)が主流で、25.0%は「特に情報源はない」と回答するなど、情報更新の手段に大きな世代差が存在します。
今回の調査は、中間管理職が過度に慎重になる一方で、若手世代はSNSを通じて独自に価値観をアップデートしており、両者の認識ギャップが職場コミュニケーションの断絶を生んでいる実態を示しています。今後は、世代を超えた対話の場を設け、アンコンシャス・バイアスを可視化するツールの導入により、双方向の理解を深めることが求められるでしょう。企業には、形式的な研修に留まらず、世代間で率直に境界線を確認し合える心理的安全性の高い組織づくりが期待されます。
対話型AIツールを使って隠れた「バイアス」に気づき、多様性のある組織づくりを継続的にサポートする「karafuru AI(カラフルAI)」

職場における様々な1on1のシチュエーションについてAIと対話。自分の言葉で記述した「自分ならどう対話するか」に対して、AIによるフィードバックと専門家のアドバイスをすぐに確認できるので、自身のコミュニケーションの振り返りに活用することでスキルの向上が見込めます。
また、組織全体の回答結果を分析することで、ダイバーシティ経営の推進に向けた指針や戦略の策定にも役立ちます。
詳しくはこちら:https://www.nttbizsol.jp/service/karafuru-ai/
今後の展望
NTTビジネスソリューションズは、今後も「karafuru AI(カラフルAI)」を通じて、企業人事の直面する課題にタイムリーにお応えしていくとともに、組織の人的資本経営を支援してまいります。
本件に関するお問い合わせ先
NTTビジネスソリューションズ株式会社
バリューデザイン部 ソーシャルイノベーション部門 社会基盤ビジネス担当 宮崎、森﨑、真鍋
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