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専業主婦からDE&Iのパイオニアへ。
karafuru AIに託す組織の『場』のつくりかた

監修者インタビュー karafuru AI(カラフルエーアイ)に託す組織の『場』のつくりかた 専業主婦からDE&Iのパイオニアへ。 株式会社クオリア 代表取締役 荒金 雅子氏

専業主婦を経て、気づいたDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の意義。

今回お話を聞く荒金雅子氏は、専業主婦からの再就職、北京女性会議での衝撃、そして米国での「ダイバーシティ」との出会いを経て、DE&Iの推進支援のために株式会社クオリアを設立。

2006年の設立以来、DE&I推進のパイオニアとして、現在のキャリアを築き上げてきました。

そしていま、karafuru AI(カラフルAI)の監修にあたり、テクノロジーを通じてアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)への気づきを促す新たな試みに挑戦しています。

荒金氏の原点から、karafuru AI監修に込めた想い、そしてこれからの組織づくりとAIの関係についてお話を伺いました。

クオリア設立の原点:専業主婦からDE&Iの道へ

クオリア設立の原点:専業主婦からDE&Iの道へ

-荒金雅子氏
私の原点は「専業主婦」をしていたことにあります。

一度家庭に入ると、再就職のハードルは非常に高く、当時は「専業主婦=能力がない人」と見なされるような風潮もありました。私自身、自信を持てずにいましたが、いま振り返れば、それはまさに「インポスター症候群(自分の能力を過小評価してしまう心理)」そのものだったのかもしれません。

そんな時、日本で初めて大阪に再就職支援センターが開設されたことを知り、そこで講座を受講することにしたのです。その後、センターでの学びをきっかけに仕事を再開し、都市計画コンサルタント会社で「ソフト面」の街づくりに携わるようになりました。

そして、人生の大きな転換点が訪れたのが、1995年に北京で開催された国連の第4回世界女性会議でした。そこで「女性の権利は人権である」という言葉に出会い、世界中の女性たちが社会を変えようとする姿を見て、目から鱗が落ちるような衝撃を受けました。

翌年、アメリカで「ダイバーシティ」という言葉に初めて出会った時、「これだ!」と直感しました。日本にこの考え方を広めたいと強く思うようになり、株式会社クオリアの代表取締役として、DE&Iの推進支援を行っています。

世界の最先端の知見や情報を入手し日本に広めることは、いまでも私の原動力です。

2007年からは、毎年世界の女性リーダーが集う女性と経済をテーマとした「グローバルサミット・オブ・ウィメン(GSW)」に参加していますし、アンコンシャス・バイアスという言葉を知ったのも2013年のGSWマレーシア大会でのセッションがきっかけでした。

キャリアを築く上で、どのような考えや価値観を軸に活動してきましたか?

-荒金雅子氏
私の座右の銘としている言葉に「用意された心に偶然は微笑む」というものがあります。神戸大学の金井壽宏先生に教えていただいた言葉ですが、もとは細菌学者ルイ・パスツールの言葉のようです。

常に好奇心を持ち、情報収集や行動を続けている状態があって、初めて偶然の出会いや機会が成果に結びつくという意味で、私も常に好奇心を持ち、視野を広げて行動し続けてきたことが、いまのキャリアにつながっていると考えています。

新しいことに挑戦する時、私はいつも「やるメリット」と「やらないメリット」の間で葛藤がありますが、「やらないよりはやってみた方がいい」と一歩踏み出すことを大切にしています。

クオリアの目的や目標はどのようなものでしょうか。

-荒金雅子氏
現在はDE&Iの知識を広めるだけでなく、複雑な組織課題に向き合い、互いを尊重し合える関係性のために、『場(プラットフォーム)』を作ることを目的としています。

組織の問題は、立体パズルのように複雑で、一つの解法があるわけではありません。だからこそ、AIを活用して自分自身のアンコンシャス・バイアスに気づき、互いを尊重し合える関係性を築くための「場」、その場づくりを支える仕組みやツールも積極的に作っていきたいと考えています。

karafuru AIの監修も、テクノロジーを通じて人間のコミュニケーションを支援したいという思いからです。

そういった「場」を作るためにどのような取り組みをしていますか?

-荒金雅子氏
私たちがお客さまの組織に入り、まず第一に実施することは、企業のビジョンと個人の「目の前の仕事」を接続させることです。多くの企業には立派なミッションやビジョンがありますが、社員一人ひとりにとって、それが日々の業務とどう関係しているのかが見えにくくなっています。

そこで、なぜ多様性を活かすことが自分の仕事に役立つのか、それがどう会社のめざす姿とつながっているのかを、一人ひとりが腹落ちして理解できるよう支援することを重視しています。

第二に、テクノロジー(AI)に、リアルな「対話」を組み合わせることです。

AIは知識を得たり、心理的なハードルを下げたりする(人から怒られるわけではないので受け入れやすい)点で非常に優秀です。

しかし、AIとのやり取りだけでは「受け身」になりがちです。研修という場で、他者との対話や摩擦を通じて「グサッと刺さる」ような視点や気づきを得てこそ、記憶に定着し、行動変容につながると考えています。

その点から、karafuru AIも単体で使うよりも、「研修とのセット」で活用する方がより一層効果的だと考え、推奨しています。

実現するために、どんな課題や悩みがありますか?

-荒金雅子氏
かつては「100人全員を一気に変えよう」としていましたが、現実的ではありませんでした。現在は、研修やツールを通じて、まずは「たった一人」の意識と行動を確実に変えることに注力しています。

たった一人でも「前向きになるきっかけ」や「行動が変わる気づき」を得られれば、それが成果であるというスタンスで取り組んでいます。なぜなら、組織全体での行動変容は一人ひとりの「納得と行動」の連鎖によってしか成し得ないと考えているからです。

地道なようですが、その一人ひとりの変化の連鎖こそが、やがて組織全体に波及していくもっとも確実な道だと信じています。

「場」をつくるうえで、karafuru AIはどういった貢献をしていますか?

-荒金雅子氏
DE&Iやアンコンシャス・バイアスの研修は、管理職にとって「自分たちは頑張っているのに、ダメだと言われている」「加害者のように扱われる」という被害者意識を生みやすく、これが学習の壁となります。

しかし、相手がAIであれば、社内の人間関係や感情的なしがらみがありません。人間から指摘されると反発心が生まれるケースもありますが、AIであれば「誰かに怒られるわけでも、評価されるわけでもない」という関係性のフラットさがあるからこそ、心理的に中立的な存在として、管理職からは受け入れられやすくなります。

AIは異なる視点やソフトなアドバイスを提供してくれるため、管理職が素直に学びに向き合うための心理的なハードルを下げる役割も果たします。

どのような立ち回りをするように設定したんでしょうか。

-荒金雅子氏
karafuru AIの監修では、多忙な管理職が陥りがちな「すぐに正解を出そうとする」癖を抑え、「まずは傾聴し、受容する」という対話プロセスを踏めているかを重点的にチェックするよう監修しました。

Web上のデモ画面等でも見てとれるように、karafuru AIは単なる話し相手ではありません。管理職の回答に対し、「部下の話を聴けているか?」「承認(ポジティブフィードバック)が含まれているか?」という観点から、改善のポイントを具体的に示唆します。

そこでもっとも重要な点は、『部下や自分自身の判断や言動に潜む「内在化したバイアス」に気づけているか』です。

いきなりアドバイスをするのではなく、相手をまず受け止める。その上で、バイアスを乗り越えて、相手の背中を押すことができているか。このプロセスをAIを通じてシミュレーションし、経験値を積んでもらうことで、現場での実践力を高める戦略をとっています。

どのような立ち回りをするように設定したんでしょうか。

実際にメンバーの行動が変わったエピソードはありますか?

-荒金雅子氏
男性の育児休業取得やLGBTQのカミングアウト等、現場で経験したことがない相談を受けた際、以前であれば「急に言われても困る」とパニックになっていた管理職たちが変わりました。

AIとのシミュレーションを通じて「仮想的な経験値」を積むことで、いざその場面に直面しても、落ち着いて「以前考えたあのパターンか」と対応できる準備状態(心の余裕)が整いつつあります。

倫理やバイアスの問題(AI学習データの偏り)もあると思いますが、どのような対応をしていますか。

-荒金雅子氏
自身の監修によって「バイアスを回避する設計」をしています。

karafuru AIは「質問(シチュエーション)」と「シチュエーションごとのアドバイス」を作成・監修できる体制になっています。

具体的には、AIに任せきりにするのではなく、「どういう状況でバイアスが起きやすいか」という仮説に基づいて質問を作成し、それに対する「適切なフィードバックの視点(4つの軸)」や「行動へのアドバイス」を設計しました。

これにより、AIの出力がDE&Iの専門的な価値観に基づいたものになるようコントロールしています。

このような悩みを抱える組織にこそ、karafuru AIを。

-荒金雅子氏
以下のような対象・組織におススメです。

4-1. 「忙しくて優秀」だが、部下の話を聴けない管理職

優秀な管理職ほど「解決策」へ一直線に向かう癖があります。しかし、部下はまず「分かってほしい」と思っていることが多く、そこを飛ばすと信頼関係が築けません。このツールは、「傾聴」や「労い」のプロセスを経ないと高評価が出ない設計になっているため、「待つ・聴く」姿勢の矯正トレーニングに最適です。

4-2. 自分はできていると思い込んでいる人

人間から「できていない」と指摘されると反発しますが、AIによる客観的なスコアや診断であれば、「自分はOKだと思っていたが、実は視点が足りなかった」と素直に受け入れやすくなります。人事担当者が直接評価しづらい「対話の質」を可視化したい場合にも有効です。

4-3. DE&I研修に対して「やらされ感」を持つ層

講師や人事に指摘されると防御的になりますが、相手がAIであれば「怒られない」「中立的である」と感じるため、心理的なハードルが下がり、素直に学びに向き合うことができます。

4-4. 現場での「未経験の相談(レアケース)」に不安がある組織

実際に相談されてからパニックになる前に、karafuru AI相手にシミュレーションを行うことで、「こういう時はこう考えればいいのか」という「仮想的な経験値」を積むことができると思います。

ほかのツールや将来的な技術を組み合わせることで、今後karafuru AIの活躍の場がより広がると思いますか?

-荒金雅子氏
そうですね。たとえば、弊社のゲーム型教材「クロスロード・ダイバーシティゲーム」との連携を視野に入れています。

本ゲームは、組織の多様性をどのように理解し、活かしていくのかDE&Iについて楽しみながら考える対話型カードゲームです。多様性がある中で起きる悩みやジレンマを「問い」として取り扱い、その問いの主人公の立場になったつもりで、参加者全員が「Yes」か「No」か自分の考えを示し、意見交換を行いながら進めるルールですが、karafuru AIと相性がいいと感じますね。

たとえば、クロスロード・ダイバーシティゲームで「20代男性社員」の立場になりきって、男性育休についてグループで対話した後に、今度は視点を移し、karafuru AIを使って、管理職としての関わり方を学習できると、より円滑に学習した内容が現場での実践につながるでしょう。

また、現在は「回答を投げるとフィードバックが返る」形式ですが、将来的には「連続した対話」ができる形式へ進化して、たとえば、karafuru AIが「育休復帰直後の男性社員」等の特定の部下になりきり、ユーザーの回答に対してリアクションを返してくる形式になると良いかなと考えてます。

AIとのラリーを続けることで、「最終的にどう話を収めるか」というファシリテーション能力や対話力を鍛えるツールとして進化してくれると嬉しいですね。

ゆくゆくは、「知識の習得」から「深い気づき」、そして「実践的な行動変容」までを一貫して支援するエコシステムの一部として機能拡張してくれると理想です。

最後に。「公平性」を組織に実装するために、今後テクノロジーと人間はどのように役割分担していくべきでしょうか?

最後に。「公平性」を組織に実装するために、今後テクノロジーと人間はどのように役割分担していくべきでしょうか?

左:荒金雅子氏 右:karafuru AI 担当森﨑

-荒金雅子氏
個人の能力を最大化するための「補完」と「環境の調整」です。テクノロジーが、環境によって生じる障壁を取り除き、個人の持てる能力を最大化するのが理想的な関係だと思います。

私にはALS(筋萎縮性側索硬化症)の友人がいますが、彼は寝たきりで声を出せませんが、視線入力で音声を自動変換するテクノロジーを使うことで、講演を行ったり海外の学会に参加したりしています。

このように、「障がいは環境によって作られる」という考えに基づき、そのギャップを埋め、本来の能力を発揮させるための「ツール」として機能することが、AIの役割だと思っています。

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詳しくはこちら:https://www.nttbizsol.jp/service/karafuru-ai/

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