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労働力不足の解消

年間2,000時間の工数削減等、業務効率化の推進へ

RPAとは何か?メリットやできること、種類、選び方をわかりやすく解説

RPA(アールピーエー)とは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、作成したシナリオに基づいて動作するロボットにより業務を自動化します。主に、Microsoft Excel(以下Excel)やWebブラウザー等で行うルーチン業務をロボットによって自動化する仕組みです。

日本では「2025年の崖」問題に代表される労働人口の減少等複数の要因から生産性向上が求められています。その解決策になり得る手段のひとつがRPAによる作業の自動化です。

RPAとは

RPAは「Robotic Process Automation」の頭文字を取ったものです。PC上で行う操作をロボットにより自動化できます。RPAのロボットのことをデジタルレイバーと呼ぶこともあります。

総務省では自治体の生産性向上や「スマート自治体への転換」への施策としてRPAを推奨しています※1。MM総研のレポート※2によると、年商50億円以上の企業ではRPAの導入率は45%と半数に迫っています。年商50億円未満の企業では12%と低いものの、右肩上がりで伸びておりさらなる普及が想定されます。

  1. ※1 出典: 総務省「自治体におけるRPA導入ガイドブック
  2. ※2 出典: MM総研「RPA国内利用動向調査 2022

RPAの大きな特徴は、OfficeアプリケーションやWebブラウザー等、広範囲に横断した作業を自動化できる点です。システム開発等の大規模な設備投資をせずとも、さまざまな作業の自動化が実現可能です。

マクロとの違い

よくある疑問として「Excelのマクロとはどう違うのか?」があります。ExcelのマクロやAccess等においても業務の自動化は可能です。ExcelやAccessにおいて高度な自動化を実現するにはプログラミング言語を理解して実装する必要がありますが、RPAの中にはそのような専門知識が不要なものも存在します。
また自動化の範囲は、マクロが基本的にアプリケーション単位であるのに対し、RPAではPC等の端末上のさまざまな操作から、Webブラウザーからアプリケーションへと横断した自動化まで扱えます。

サーバー型とクライアント型(デスクトップ型)

RPAには大きく分けてサーバー型とクライアント型(デスクトップ型)の2種類があります。

サーバー型のRPAは、サーバーにRPAをインストールして利用します。端末にインストールするクライアント型と比較すると、サーバーの性能に応じて処理能力も高くなるメリットはあるものの、導入に時間がかかり専門知識が必要になる場合もあります。

クライアント型(デスクトップ型)では、各PC端末にRPAをインストールして作業します。導入も簡単であることから、個人や部門等限られた範囲から利用を開始でき、利便性が高いといえるでしょう。

ただ、サーバー型とは違い、性能はPCの処理能力に依存することから、限定的な作業に限られます。

サーバー型 クライアント型
(デスクトップ型)
導入場所 サーバー 各端末
導入期間 やや時間がかかる 早い
処理能力 高い 低い(端末に依存)
導入範囲 大規模 小規模(個人や部署単位)

専門タイプ(開発型)と簡易タイプ

RPAによるロボットの複雑性を示す分類として、専門タイプ(開発型)と簡易タイプがあります。
専門タイプ(開発型)のRPAはC#やJavaといったプログラミング言語を用いたカスタマイズが可能なRPAです。複雑で高度な自動化を行う場合に利用されます。高度な作業を実現するため、開発時には詳細な業務フロー図の準備とプログラミングが必要です。社内にプログラミングを実装できる人間がいない場合、外部に委託することになります。

簡易タイプのRPAは、基本的にプログラミング言語の知識は不要です。基本的な作業を画面上で記録して、さらにアレンジを加えて動作を編集することで複雑な作業にも対応が可能です。システム連携等にプログラミング言語が不要な場合は、社内で人材を育成でき、外部委託する必要もなくなるため、簡易タイプのほうが利便性に優れています。

RPAでできること

RPAでは複数のシステムを横断した業務の自動化が可能です。どのような作業がRPAに適しているかを解説します。

RPAでできることと向いている業務

RPA導入に効果的な業務にはいくつかの特性があります。具体的に見ていきましょう。

処理ルールが明確 処理ルールが明確であり、業務処理を行う上で例外が少なく、人間の判断や介入の必要がない業務
処理量が多い 同じ作業内容を大量に反復して繰り返す業務
正確性が重要 データ照合等の確認業務や手作業による人的ミスの影響が大きい業務
複数のアプリケーションやソフトにまたがる業務 複数のアプリケーションやソフトにまたがって検索、複製、入力、確認等を行う業務

これらの特徴がある業務は、人間が行うとミスを誘発する可能性もあるため、RPA導入に向いています。

RPAで作業を自動化する際の具体例

RPAで作業を自動化する際の具体例を解説していきます。

例えば、注文情報の処理の場合には

  1. 注文書未処理フォルダのExcelの注文書ファイルを開く
  2. 受注管理システムを開き「お客様情報」「注文情報」を入力
  3. 処理済みフォルダへ注文書ファイルを移動する

といった一連の作業が発生します。

これらを自動化する際には、RPAに作業の流れを記録します。具体的には、画面操作を行う際に、「具体的にどこをクリックするのか」、「どの項目に何を入力するのか」、「どのフォルダにどのファイルを移動するのか」をRPAが記録しシナリオに反映します。

次にOCRを活用し、手書きデータ入力し指定したデータを特定のシステムやファイルに入力する場合には、以下のような操作を自動化できます。

  1. 手書き、または活字書類をOCRに読み取り
  2. OCRでテキストデータに変換
  3. 指定項目をコピー&ペースト
  4. システムへのログイン
  5. 指定したシステムやファイルに登録または転記

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RPAを導入するメリット

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RPAを導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に確認していきましょう。

ヒューマンエラーの削減による作業品質の向上

人間が作業を行っている限りミスはつきものですが、ロボットが作業することで入力漏れや記載ミス等のヒューマンエラーを減らせます。

業務時間の短縮、効率アップ

ロボットが高速で処理するため処理時間を大幅に短縮できます。またロボットは24時間365日稼働できるため、夜間に大量のデータ処理を行い、出社した時には指定した形式で処理を完了し、すぐに次のプロセスに進める環境を構築できます。

また、ロボットのシナリオ構築の際には業務フローを指定する必要があるため、改めて業務フローを見直すことで、業務効率化につながります。

コスト削減

ロボットで自動化することで、その作業にかかっていた人的コストも削減できます。たとえば給与計算等の定型業務で派遣スタッフを採用していた場合、ロボットに作業を置き換えることで派遣スタッフのコストを減らすことが可能です。

ルーチン業務の自動化による生産性向上

ロボットによって従来人間の手で時間をかけて行っていたルーチン業務の自動化が可能となります。自動化によって捻出した時間をコア業務にあてられ、アイデアの創出やクリエイティブな作業・重要な打ち合わせ等、人間にしかできない業務に専念できます。

RPAを選ぶ際のポイント

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RPAを選ぶ際のポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

社内に専門知識のある人間がいるかどうか

RPAを導入する際、エンジニア等専門知識のある社員の有無も重要です。プログラミング等を用いたカスタマイズやメンテナンスを行える社員がいない場合は、人材育成も比較的容易な簡易タイプが適しています。

自動化によってどれくらいの効果が見込めそうか

RPAの導入前に、業務自動化によってどれくらいの効果を見込めそうか検証することも重要です。対象となる定型のルーチン業務がどれだけの頻度で起こり得るか、または処理の量等を総合的に確認しておくことで、効果検証が行いやすくなります。削減できる工数や人的コスト等を試算しておくと、料金を比較する際にも役立ちます。

トライアルや検証が可能かどうか

導入時にトライアルや個人、部署単位等、比較的小規模での導入検証が可能かどうかも確認しておくことをおススメします。いきなり全社に導入しても、管理が煩雑になる等うまくいかないことがあります。まずは小規模でのトライアルを行い、検証を行うことが理想的です。

サポートの手厚さ

サポートの手厚さも、初めて導入する際には重要です。手軽に導入できることは、RPAの大きなメリットのひとつですが、やはり運用しているとどうしても不明点やエラーが起きることもあります。

継続的に質問に答えてもらえる体制や、技術的な理解を深めるための学習機会を設けることは重要です。事前にベンダーや販売店がどのような支援メニューをもっているか確認しておくとよいでしょう。

NTTビジネスソリューションズによるRPA導入の成功事例

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実際にコスト削減や時間短縮等につながった事例の一部をご紹介します。

株式会社ノーリツ

株式会社ノーリツは給湯機器等の住宅設備機器の製造販売を行う企業で、国内だけでなく海外事業も展開しています。同社ではIT推進部を中心に、効率的に業務を行うため、RPAの導入検討を進めることになりました。

いきなり全社導入ではなく、まずは6つの部署でRPAロボット開発が開始されました。ITについて詳しくない部署でも、IT推進部が作成したひな形を組み合わせることで、簡単にシナリオ作成が可能となりました。

修理業務の損金分析を行うロボットや、週ごとの修理状況分析のためのデータ抽出を行うロボットを開発することで、年間2,000時間以上の工数を削減できました。リモートでも使用できることから、出社制限のある中でも業務の生産性を維持できています。

※出典:NTT将来の労働人口減少に備えて、社員自身による働き方改革を推進するため、"市民開発" (現場担当者によるロボットの開発/運用) に最適なWinActorを導入。

アデコ株式会社

アデコ株式会社では人材派遣やアウトソーシング等のサービス事業を展開しています。コールセンターの運営の請負では、電話対応や事務処理等を対応しています。

センターでは人員拡充が必要な場合も、市場環境によって迅速な確保が難しいことがあり、業務効率化が課題となっていました。さらに、お客さま先へ常駐して業務を行うため、システムやサーバー関連の変更は難しい状況にありました。

そこで、PC1台から導入できるクライアント型のRPAを導入することで、常駐先での環境を変えることなく業務効率化を実現しました。

常駐先からの評価も高く、先進事例として社内報でも取り上げられ注目度が高まっています。現在はAI OCRとの連携も検討されており、RPAの導入が業務効率化への扉を開いたといえる事例です。

※出典:お客さまサービスセンターを常駐で運営する業務において、クライアント企業からも注目を集める業務効率化の施策とは

国内シェア No.1のRPA、WinActor®

NTTビジネスソリューションズが販売するWinActor®は、業務効率を改善できる純国産・国内シェアNo.1のRPAツールです。人間がPCで行う業務手順をそのままシナリオとして作成できるため、専門的な知識がない現場の担当者でも業務に応じて適切に利用できます。また、作成したシナリオについて容易にカスタマイズできます。

WinActor®の特徴

WinActor®はプログラミング等の特別なスキルは不要の「簡易タイプ」で1台からでも利用できる手軽さがあります。またサーバー型、クライアント型の両方で使えるため、規模、環境、業務等に適した導入や拡張が可能です。

こちらの動画ではWinActor® の特徴や作業のデモ映像をご覧いただくことができます。

NTTビジネスソリューションズのサポート

RPAの導入は、シナリオの「作成」と「運用」の両輪をうまく回すことが重要です。導入効果を最大化するため複数のサポートメニューを用意しており、企業に合わせた適切な支援を行います。

サポートメニューには以下のようなものがあります。

・あんしんサポート
電話、メールでのサポートに加え、お客さま画面でのリモートサポート
あんしんサポートについて詳しくはこちら

・eラーニングサービス
時間や場所を問わず、お客さまのペースにあわせた学習が可能
eラーニングについて詳しくはこちら

・ハンズオンセミナー
シナリオ作成のチュートリアルをハンズオンで体験

・シナリオ作成成勉強会
少人数制の研修で、基本操作、応用操作、実業務の簡易シナリオ作成を支援

・シナリオ作成技術支援
お客さまによるシナリオ作成を現地にて支援

  • ※サポートのご利用料金について詳しくはお問い合わせください。

WinActor®活用事例

さらに WinActor®の導入や効果についてお知りになりたい方にはこちらの資料もおススメです。本稿では紹介していない経理、総務、人事、営業部ごとの事例を掲載しています。ぜひご覧ください。

WinActor®活用事例

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  • ※「WinActor®」はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
  • ※ 記載された会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。

関連リンク

RPAソリューション「WinActor®」
https://www.nttbizsol.jp/service/rpa/

WinActor®に関するお問合せ
https://form.nttbizsol.jp/inquiry/winactor

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